ユーザインタフェースが一新され、流行のフラットデザインになったが、基本的な機能や使い方は従来のバージョンを継承しているようで、英語版ながら使い方で悩むことはあまりなさそうだ。スキャン結果のリストで、フォルダツリー表示とファイル形式ごとの分類とを切り替えられるのは便利。さらにフィルタ機能を使えば、ファイル形式やサイズ、タイムスタンプなどを条件に抽出できる。もちろん画像のサムネイル表示やプレビュー機能なども、目的のファイルをすばやく探し出すのに役立つ。フィルタによる抽出結果はタブとして表示されるので、フォルダ構造、ファイル形式、フィルタ抽出結果の三つを切り替えることが可能だ。
スキャンを実行すると、デバイス選択リストの先頭に“Previous Scan Result of 〜”という項目が追加される(〜の部分は実行したコマンドによって異なる)。スキャン結果が自動保存されたもので、上位版ではこの結果を読み込めるのだが、Free Editionでは残念ながら対応していない。大容量ハードディスクから復元を行う場合には1回のスキャンにそれなりの時間を要するが、結果を保存しておければ、そのつどスキャンをやり直すムダが省ける。個人レベルではあまり利用する機会はないかもしれないが、大量のデータを管理している人にとっては魅力的だろう。
Free Editionにおけるもうひとつの制限は「復元できるサイズが1GBまで」となっていること。これは1ファイルあたりのサイズではなく、復元したファイルの総容量。復元を行うたびに、ステータスバーに表示される残り容量が減ってゆく。つまり「累積で1GBに達するまでは、無料で繰り返し何度でも使える」という仕様だ。この点さえ気にならなければ、操作も簡単で、かなりお勧めのソフトだ(不足であれば、上位の有償版を購入すればよい)。
(福住 護)