Blu-ray/DVD再生ソフトの“定番”「PowerDVD」シリーズ。押しも押されぬ国内トップシェアの動画再生ソフトだ。毎年この時期になるとバージョンアップするが、今年もまた、非常に多くの新機能を搭載して登場した。今年のトレンドは何といっても「4K動画」だ。家庭用の動画撮影機器が、ビデオカメラからデジタルカメラやスマートフォンなどに移行しつつあるが、動画撮影の解像度も4K解像度が増えつつあるようだ。ウェアラブルカメラ「GoPro」やソニー「FDR-X1000V」、あるいはスマートフォンであれば「XPERIA Z3」など、4K動画を撮影できる機器は確実に増えつつある。
「PowerDVD」が4K動画の再生に対応したのは2年前、「PowerDVD 13」の頃。ただ、4K動画の再生に必要となるCPUパワーを考えると──最近のCPUでも──かなり荷が重い。特に4K以上の動画圧縮コーデックの本命「H.265/HEVC」だと、再生するだけでもかなりのCPUパワーを要する。
そこで今回のハードウェアアクセラレーションだ。ハードウェアが動画再生を支援する効果は絶大で、同じCPUのパソコンでも、ハードウェアアクセラレーションがあるのとないのとでは大違い。この機能だけのためにバージョンアップしてもよいと思わせるほどの効果が得られる。対応ハードウェアが必要なのが欠点だが、いずれにしろ4Kの解像度を表示しようとすれば、ディスプレイはもちろん、グラフィックカードも買い替えなければならないことが多い。許容範囲の制約といえるのではないだろうか。
これらのほかにもまだまだ新機能は多い。パソコンで動画を楽しむ向きには、見逃せないバージョンアップだろう。
(天野 司)