「不要ファイルやプライバシーに関連する履歴の消去」「システムエラーやパフォーマンス低下の原因になり得る問題点の検出と修復」「設定の最適化によるパフォーマンスの向上」といった、メンテナンスソフトではおなじみの機能が網羅されている。その中での特徴というと、パソコン全体の健康状態を漠然と数段階で表示するのではなく、「ディスク領域、システムの安定性、コンピュータの速度の各カテゴリごとに具体的な数字を挙げた上で、個別にレベルを教えてくれる」ところだろうか。前回スキャンまたは修復からの経過時間もそれぞれに表示されるし、再スキャンや詳細情報の確認も各カテゴリそれぞれ個別に操作できるようになっている。
全体的なインタフェースは「安定性の向上」「パフォーマンス改善」といった目的志向でまとめられているが、「すべてのツール」からはデフラグ、シュレッダーなどを個別に操作することが可能。各ツールは独立したウィンドウで起動し、それぞれに詳細な指定を行える。メンテナンスに積極的なユーザにとっては使いこなしがいがある。
総合メンテナンスソフトでは、メモリの最適化(空き領域の確保)やそれにともなうリアルタイムモニタの機能を備えているものもめずらしくない。プロセッサ関連では、プロセスごとに実行優先度を指定できるものもある。ところが「Auslogics BoostSpeed 7」では、メモリの最適化、プロセッサの最適化、ディスクアクセスへの優先順位変更といった機能を備えてはいるものの、どれもON/OFFの切り替えのみで、ユーザが細かく指定するようにはなっていない。これらは「ライブ高速化」にまとめられていることからもわかるように、パソコン上での作業に応じてリアルタイムで変更される。「設定を最適化するために、いちいちユーザの手を煩わせたのでは本末転倒」という考え方なのだろう。
アプリケーションまかせにする部分と、ユーザが細かく操作できる部分とのバランスがうまく取られているという印象を受けた。
(福住 護)