二つのエディタの違いをあらためて説明すると、「ホームページ・ビルダー クラシック」が板や釘、ねじなどを組み合わせて作る完全自作の家具なのに対し、「ホームページ・ビルダーSP」は既成のボックスやラックを組み合わせてアレンジするユニット家具といったイメージで捉えていただけばよいだろう。もうちょっと細かくいうと、例えばナビゲーションバーを作るとき「クラシック」であれば、<ul>要素と<li>要素を組み合わせてメニューの構造を記述することでひとつの機能部品を組み上げるといった手順になるが、「ホームページ・ビルダーSP」では、まずメニューバーというパーツを配置するのが先。そのあとで各メニュー項目の内容やスタイルを編集してゆく。
したがって、ユーザとしては「ナビゲーションバーの記述にどんなタグが使われているか」といったことは知らなくてもよいし、配置を変更する際もソース上でどこからどこまでがメニューバー用のコードかといったことを意識する必要もない。いきなりパーツをドラッグ&ドロップするだけだから、初心者にとっては本当に簡単だ。
収録されたテンプレートはプロがデザインしたものだけあって洗練されている。出力されたソースを見ても、かなりクリーンなマークアップで可読性も高い。パーツ単位での配置なので、本当の意味で好き勝手に(でたらめに)移動できるわけではなく、メニューバーや記事の見出し一覧といったコンテンツの役割ごとに整然と配置される。このため、ひと昔前のWYSIWYG型エディタに見られたように、ちょっと編集するとソースがぐちゃぐちゃに入り乱れて、何が書いてあるのかさっぱりわからないといった心配は無用だ。
ちなみに「ホームページ・ビルダーSP」で出力されたページは外部スタイルシートを使わず、HTML内に記述されているようだ。このためソースコードがやや長くなるものの、設定を参照する際の手間は省けるため、CSSを学ぶための素材としてもよいかもしれない。
これからホームページを作ってみようという方にはとても手軽だし、そこから一歩進んで本格的なサイト構築を目指すときでも新たなソフトを買わなくてよいのは大きな魅力だろう。
(福住 護)