算数を学びはじめたばかりの児童が四則演算を自然に理解できるように配慮された、シンプルなインタフェースと平易な説明が特徴。計算機では、数字ボタンのクリックによって値をセットする(キー入力には非対応)。基本となるのは「0」〜「10」のボタンだが、「おまけ」として、足される数(あるいは引かれる数)では「11」〜「20」のボタンがあり、2桁+1桁の足し算もしくは2桁−1桁の引き算も体験できる。
ユーザが入力した値を表すイヌとネコのアイコンは、縦に10個まで積み重ねて表示される。学習の方法としては、積み木を並べて数の概念を学ぶような知育玩具に近い。例えば7+5なら、足される側のマトリクスにはイヌのアイコン7個と3個の空白があり、そこへ足す側の5個のネコから3個をもってきて、まずマトリクスの空白を埋め、さらに残った2個のネコと合わせることで、合計が得られる──このような流れをステップを踏んで説明してくれるので、抽象的な計算の世界をより具体的なイメージで体験できる。ただし、あくまで基本を学ぶためのソフトなので、答えが負の値になるような引き算は設定できない(警告メッセージが表示される)。
操作は特に難しいところはないが、保護者あるいは教育者的な視点でいうと、「たしざん ひきざんのせつめい」におけるスタートが「3+2(3たす2)をやってみよう」となっている点は留意しておきたい。つまり数そのものの概念や、足し算を「3+2」といった形で記述するといったことについてまでは、「ゴマフ犬のけいさんきでさんすう」では教えてくれない。あくまで計算を学ぶためのものなので、前段階でまず数そのものの概念に触れた上で、次のステップで使うのがよい。
問題や解説文だけでなく、計算機の使い方も漢字を使わず、ひらがなとカタカナで書かれているが、使い方については、保護者や指導者をターゲットにした漢字かな混じり文にしてもよいのではないかと思った。
(福住 護)