「ファイル名に日付や時刻を含めたい」というニーズは、パソコンを使っていると案外発生するものだ。例えば、日々更新されるようなファイルをバックアップし、保存しておきたいような場合、「test.txt.040531」などのように、ファイル名の末尾に日付をつけるような場合もあるだろうし、拡張子が変わってダブルクリックでファイルが開けなくて困るような場合には「test040531.txt」といった名前でファイルを保存することも多い。本来ならファイルに付けられる「タイムスタンプ」がそうしたファイル整理の役割を果たすべきなのだろうが、残念ながらWindowsの場合、たとえタイムスタンプが異なっていても、ファイル名が同じであれば両者は同じファイルとして扱われてしまう。フォルダを分けるか、ファイル名を変えるかしなければ、同じフォルダ内に昨日作ったファイルと今日作ったファイルとを共存させることはできない。VSS(Volume Shadow Copy Service)などを使えば、同じファイル名であっても、更新した日時ごとに別々のものとして過去のバージョンを呼び出すことができないではないが、まだ一般的に使われているとは言い難い。
「Append TS2FN」は、そうした「日付時刻ファイル名」を簡単に実現できるソフト。リネームを行う際、現在の日付ではなく、ファイルのタイムスタンプを利用できるため、いちいちファイルのプロパティを確認して、更新日を調べる必要もない。ファイルの更新管理が非常に楽になる。Exifデータからも日付を取得できるのは、デジカメで撮影した写真を整理するのに便利だ。
カスタマイズ機能は豊富で、使いやすいソフトだ。
(天野 司)