「家庭菜園のための作業記録およびスケジュール管理ソフト」ということになっているが、もう少し広く考えれば、花壇や鉢植え、庭木など、園芸全般にも応用できる(あるいは理科の学習用補助教材とか)。作業の記録を数年分にわたって残すことができ、「リストビュー」では連用日記のように、過去の同月同日の記録をさかのぼって参照できるので、「猛暑や水不足だった年はどのように対処したか」といったことが手に取るようにわかる。また、先の予定も登録できるため、作業を忘れないためのToDoリストあるいはリマインダ的な使い方もできるだろう。もちろんこれらの情報は、育てたい作物ごとに整理されているので、検索の手間も省ける。
日本製のソフトならではだと思わせるのが、カレンダーに二十四節気や雑節を登録できること。立春、春分、夏至といったところは有名で、日常的にも親しみがあるが、それ以外にも、啓蟄、穀雨、芒種、霜降など、農作業には縁の深そうな昔ながらの暮らしの知恵が込められていて、何かと参考になりそうだ。
筆者個人としては園芸にはあまり縁がないのだが、「徒然MyGarden.NX」を試用していて思ったのは、ネイチャーフォトの撮影記録に使えないかということだ。「ある場所でいつごろ桜が開花した」とか「どんな野草が見られた」とか、あるいは「渡り鳥の初認日はいつか」といった記録を残すにもよいのではないだろうか。
なお、筆者のテスト用環境では、「当日」ボタンをクリックしたときに、前月のカレンダーが表示されたり、特定の野菜に対して記録した情報が「テーブルビュー」では「作物の名前」のところに表示されたりといった現象が見られた。念のためご報告しておく。
(福住 護)