インストール不要で使える、非常駐型のマルウェア対策ソフト。必要なときに起動して、マルウェアを検出・削除できる。「Emsisoft Emergency Kit Free」は、ウイルスやスパイウェア、アドウェアなど、パソコン内に侵入した有害なプログラムを検知・駆除するためのソフト。非常駐型で、ほかのセキュリティ対策ソフトがインストールされた環境でも干渉が起こりにくく、併用することが可能。USBメモリなどに入れて、持ち運んで使うこともできる。実行中のプロセス/サービスなどをチェックできるシステム管理機能や、アプリケーションのインストール時に同時にインストールされる不要なプログラムを検出・削除する機能なども備える。
ソフトは、携帯型のマルウェアスキャナ、
- Emergency Kit Scanner
- Commandline Scanner
および携帯型のウイルス駆除ツール、で構成される。メインとなる「Emergency Kit Scanner」では、実行後にまず、ウイルス定義ファイルがロードされ、次にセキュリティステータス画面が表示される。マルウェアのスキャン方法として選択できるのは、- クイックスキャン(実行中のプログラム、レジストリ上にあるスパイウェア、トラッキングクッキーのみが対象)
- スマートスキャン(クイックスキャンに加え、重要度の高いフォルダが対象)
- ディープスキャン(ハードディスク上のすべてのファイルが対象)
- カスタムスキャン(対象(ボリューム/フォルダ/ファイル)と検出したいマルウェアの種類を手動で指定できる)
の4種類。スキャン完了後には、検出されたマルウェアがリストアップされ、マルウェアの種類や感染ファイルのフルパス名、リスクの高さなどを確認することが可能。その場で「削除」するか、一時的に「隔離」して様子を見るかを選択できる。隔離したファイルをあとから復元したり、削除したりするのも簡単に行える。ホワイトリスト機能もある。スキャン完了後に、誤検出されたファイルをその場でホワイトリストに追加しておけば、次回以降の検出対象から除外される仕組み。もちろん、ホワイトリストにあらかじめ除外ファイルを登録しておくことも可能だ。
「Commandline Scanner」は、コマンドラインから「Emergency Kit Scanner」を起動する機能。グラフィカルなインタフェースが省かれ、一括処理に適する。
「HiJackFree」は、実行中のプロセス/サービスおよび利用中のポート、スタートアップやタスクスケジューラ項目などを管理するための中上級者向けシステム分析ツール。システムの状態を分析し、リスクを判断した上で、個別に設定を変更したり、削除したりできる。Internet Explorerのアドオンやツールバーなどを同様に管理することも可能だ。
「BlitzBlank」は、一般的な方法では駆除が難しいマルウェアを、Window起動時にほかのプログラムが起動する前のタイミングで削除できる。