WindowsというOSは、人によって評価がさまざまだ。例えば、まもなくサポート期限が切れるWindows XPを使い続けている人には──いろいろと事情はあるだろうが──「機能的には以降のWindowsと大差ないし、これで十分」という人は多い。なるほど、たしかにアプリケーションは昔もいまも変わらず動くし、機能的に大きな不満を覚える人もそう多くはない。Windows 8/8.1で大きく変わったユーザインタフェースを覚えるくらいなら、使い慣れたXPで十分という意見も頷ける。一方で、そうしたUIの違いを乗り越えても「Windows 8/8.1はよくなった」という意見がある。大きな機能は変わらないが、細かい部分には見逃せないほどの差があり、それらを総合して考えるなら、やはり新しいOSの方がよい、とする意見だ。いうまでもなく、こちらにも一理ある。ただ、事実から見ればWindows XPやVista、7、8は、ベースは同じでも、やはり違うOSだ。当然のことながら、運用面ではどうしても差は出てくる。場合によっては、そうした差が問題を引き起こすこともある。
「Windows8レスキューキット」は、そうした「OSを乗り換える人」あるいは「OSを併用する人」にとって発生し得る問題を事前に防止するためのユーティリティだ。とりわけ大きな問題となりそうなのが、Windows 8/8.1で扱いが変化した「シャットダウン時の問題」。これまでのような完全なOSのシャットダウンではなく、スリープ状態を基本とするWindows 8/8.1のシャットダウンでは、シャットダウンされている間にディスクが外されると大きな問題を生じかねない。その問題を簡単な設定で回避できる。
4月9日にWindows XPのサポートが切れれば、XPから8/8.1に移行する人は増えるだろう。そうした際に問題を起こさないためにも、転ばぬ先の杖として「Windows8レスキューキット」を導入しておくのも安全策だろう。
(天野 司)