「TextPad」は、プログラマ向けの機能にかなり注力しているテキストエディタだ。通常、プログラムのソースコードは、一般的なテキストファイルであることがほとんどなので、「プログラムのソースコードを書く」という目的においては、どんなテキストエディタでも一応は使うことができる。例えば、Windows標準の「メモ帳」だってプログラムのソースコードを書くことはできるし、バッチファイル程度の簡単なものであれば、実際に「メモ帳」を使って書いている人も少なくないだろう。とはいえ、本格的にプログラムを書こうと思えば、やはりプログラマ向けの機能が搭載されたエディタの方が遥かに便利だ。例えば「タグジャンプ」であったり、特定のプログラム言語向けのキーワード強調表示であったり、キーワード入力支援であったり、あるいはシンタックスのチェックであったり、といったものだ。テキストエディタの作者はまた、自らがプログラマでもあるため、ほとんどのテキストエディタには多少なりともプログラマ向け機能が搭載されているが、「TextPad」のそれは群を抜いている。まさに“プログラマ特化型のエディタ”といってよい。
その象徴ともいえるのが、Windows標準の開発環境「Visual Studio」との連携機能であるとか、外観デザインを同一にするとかいったこと。特に「Visual Studio」ユーザであれば、「TextPad」の画面をひと目見ただけで、使い方を想像できるに違いない。
ただ、“プログラマ特化型”とはいっても、通常のテキストを編集できないわけでは、もちろんない。というよりもむしろ、その高機能ぶりは単なるテキストを編集する際にも大きな助けとなることが多い。開発ツールと併用できるエディタを求めている向きには、有力な選択肢となるテキストエディタだ。
(天野 司)