マルチプラットフォーム対応のセキュリティ対策ソフトだが、アプリケーション自体はWindows版が「ESET Smart Security」、Mac版では「ESET Cyber Security Pro」、Android版は「ESET Mobile Security for Android」という名前となり、細部の機能もやや違いがある(本稿はWindows版をもとに執筆している)。外観はいたってシンプルなのに、掘り下げてゆくとキリがないくらいのオプション設定があり、ある程度のスキルを持った人にとっては相当に使いでのあるソフトだ。
例えば「デバイスコントロール」という機能では、CD/DVDやUSBメモリ、プリンタ、IEEE 1394対応デバイスといった周辺機器へのアクセスを制御するルールを設定し、ユーザアカウントやユーザグループに対して権限を割り当てることができる。また、コンピュータのアイドルタイムを利用して自動で検査を行う機能は、初期状態ではOFFになっているが、これをONにすると、スキャン設定(ThreatSenseエンジン)の細かいカスタマイズが可能になる。
最近のセキュリティ対策ソフトでは、こうした細部の設定も目的志向風に「Webブラウズの安全のため」「個人情報保護のため」といった形で整理されているものが多いが、「ESET ファミリー セキュリティ」は昔気質というべきか、機能別に整理されている。
もちろん、インストールさえしておけば、基本的には保護してくれるので、初心者が使ってもまったく問題はないのだが、根本的なところでは上級者好みの性格を持っているといってよさそうだ。
マルチユーザに対応し、家族などでインストールできるので、とてもお得だ。
(福住 護)