ファイル比較ソフトというと、二つのフォルダの内容を並列して表示するものが多いように思うが、「FolderDiff」は、一画面でのリスト表示なのが外見上の大きな特徴。リストがひとつだけなので、比較結果には「追加」「削除」といったステータスを表すフィールドがあり、さらに色分け表示もされるため、とてもわかりやすい。気分的なものかもしれないが、並列型の場合、二つのリストを見比べて認識する感じなのに対して、「FolderDiff」では、結果だけをさっと把握しやすいように思える。
ファイルサイズや更新日時、属性といったフィールドには(1)「抽出するフォルダ」側、(2)「比較するフォルダ」側の二つが表示される。(1)と(2)は隣り合って表示されるので、並列型のリストに比べると視線をあまり動かさなくてよい。
追加されたファイルや更新されたファイルの数は、ステータスバー上で確認したり、フォルダを選択するだけで簡単に抽出したりできる。もちろん並べ替えることによって、追加されたものや削除されたものだけをまとめることもできるが、目的の場所へ移動したり、元の表示へ戻したりする手間を考えると、フォルダ選択の方が使い勝手はよさそうだ。
フォルダの内容を保存しておけるのも便利だ。比較の結果だけでなく、「抽出するフォルダ」を指定した時点での保存にも対応する。つまり、ある時点でのファイル一覧の記録として使用できるし、それをもとに現時点のフォルダ内容との時系列的な比較も可能にしている。結果をクリアすることで、抽出したフォルダの内容はそのままに、比較するフォルダやデータだけを変更できる(最初からやり直さなくてもよい)といった配慮もうれしい。
単にファイルを比較するという域を超えて、さまざまなファイル管理の方法を提供してくれそうなソフトだ。
(福住 護)