運とパズルの要素が上手に配合された、とても楽しいゲーム。演出が巧みで、テンポもよい。一人でプレイしていても、数人でパーティゲームをやっているときのような楽しさがある。もや雲の上に立って決定キーを押す前のドキドキや、階段だったときの喜び、穴に落ちたときのガッカリ感などがよいアクセントになっている。
各階には必ず先人のメモが一枚用意され、メモを探し出す楽しみがあったり、何かあるたびに表彰されたりするのもうれしい。ゲームが単調になって飽きがこないよう、あらゆるところに工夫が凝らされている。
階ごとに異なる仕掛けが用意されているのも楽しい。上のフロアの仕掛けをクリアするには下の階でアイテムを探す必要があるなど、「穴から落ちてまた戻る」といった繰り返しをさせずに楽しめるよう、巧みに演出されている。
いくつか簡単にはクリアできない階もあるが、その難易度もちょうどよい感じ。ゲーム全体のバランスがよく考えられている。上の階に行くにつれてどんどん味の出てくる──それでいて気軽にプレイでき、息抜きに最適な──お勧めのゲームだ。
(秋山 俊)