ウイルスや迷惑メール、フィッシング詐欺など、ユーザが日常的に出遭う可能性の高い危険からパソコンを総合的に守りつつも、ユーザには難しさを感じさせないのが、ここ数年来の「ウイルスバスター」の特徴。新バージョンもこれを受け継いでおり、いっそ「そっけない」といいたいくらいのシンプルさだ。保護機能を、目的別に五つのタブ画面に整理している上に、クラウド関連のようにほぼ黒子に徹していて、表面上にはほとんど見えない(=操作不要)機能が多いのも「そっけなさ」の一因のようだ。おかげで、コマンドやオプション設定の項目数だけ数え上げていくと、機能に乏しいようにも見えかねないが、公式サイトの機能一覧を見れば、決してそうではないことがわかる。「必要な機能を備えながら、ユーザに余計な手間はかけさせない」というスタンスは、ごく普通のパソコン利用者にとってはなにより最大のメリットだろう。
さらに、WindowsとMacの双方に対応し、OSを問わず3台までのパソコンにインストールできることも特徴として挙げられる。ただし、機能面ではWindows版の方が充実しているので、両方にインストールを考えている人は要注意。この点についても公式サイトの機能一覧で確認しておくことをお勧めする。
設定項目が少ない理由のひとつには、不正アクセスや攻撃を防ぐファイアウォールを搭載していないということも挙げられる。これに関しても従来同様、Windows自体のファイアウォールを利用しつつ、設定を最適化するための「ファイアウォールチューナー」や「無線LANアドバイザ」を搭載しているので、これらを活用して安全性を高めよう。
(福住 護)