フォーム入力によるデータ収集、原稿の校閲、稟議書の回覧や書面による決裁などにも役立つPDFビューア。既存のOffice文書や画像ファイルをPDF化するのにも使える。テキストへのマーキングや図形描画、文字列の削除や置換といった指示を文書上にオブジェクトとして書き加えることで、内容をよりわかりやすくしたり、修正個所を明確にしたりできる。
昔ながらの「紙に赤ペンでの校正」では、修正に修正を重ねて「どれが最終的な指示なのかわからなくなってしまう」ようなところも、すっきりスマートに処理できるのは電子文書ならではのメリットだ。
各注釈オブジェクトには、作成された日時やユーザ名が表示されるほか、「承認」「却下」「キャンセル」「完了」の四つのステータス(なしも含めると五つ)を指定したり、注釈に対する返信を書き込んだりすることが可能で、「誰がどのような指示を出したのか」といったことも明確になる。
加えて、電子メールへの添付やFacebookでの共有といった機能が文書の回覧そのものも効率化してくれる。社内で専用のファイル共有システムを構築したり、いちいちファイル転送ソフトを起動してアップロード/ダウンロードしたりといった手間も必要なく、アプリケーション上から直接操作できるのは便利だ。
うまく使えば、社内での情報共有の円滑化や意思決定プロセスの効率アップに貢献してくれるだろう。
(福住 護)