パソコン内に保存されたテキストファイルから、必要な情報を一気に探したいときに便利なのが「GREP(グレップ)」と呼ばれるタイプのアプリケーションだ。「LIGREP」もそのひとつで、マッチングしたキーワード(「LIGREP」ではタグ)の一覧表示、タグ位置へのジャンプおよびテキストの参照、編集ツールの起動などは、一般的なGREPソフトと同様だ。その上で「LIGREP」ならではの特徴となるのが履歴機能だ。多くのGREPソフトでは、検索はその場限りなので、後日もう一度探そうとすると、検索をやり直す必要がある。もちろんたいていの場合は最新の検索結果がほしいわけで、それはそれで問題はない。しかし、履歴機能を搭載した「LIGREP」は大げさにいえば、ほかのアプリケーションとは一線を画す利便性と利用範囲を獲得している。
一般的な検索ソフトでも、使用したキーワードや検索範囲の履歴を利用して再検索の設定を簡略化できるものは多い(「LIGREP」でももちろん可能)が、それでも検索をやり直さなければならないという点に変わりはない。
しかし、検索結果そのものを保持している「LIGREP」では、リストから履歴を選ぶだけなので、検索のやり直しという作業そのものが不要。おかげで「文献資料のチェックを一時中断して、続きは後日あらためて行う」とか「異なる検索条件での結果を見比べる」といった使い方がより簡単になる。
「検索リストウィンドウ」には、実行日時とともに対象フォルダや使用したキーワード、フィルタ設定などの情報も表示されるので、「いつ、どんな検索を行ったか」も一目瞭然だ。
履歴は最大40件まで記録できるので、よほど頻繁に検索を繰り返さない限り、簡単に消えてしまうことはないが、逆にリストから不要な履歴だけを消したり、特定のアイテムだけをロックして消えないようにできたりすると、より便利になりそうだ。
さらに願望を膨らませると、よく使う検索条件の登録やカテゴリー別の分類、対象ファイルのタイムスタンプを利用した条件設定、同じ条件で簡単に再検索できる機能などがあれば、本格的な文献検索ソフトとして、さらに活用の場が広がるのではないかと思う。
(福住 護)