ファイルのアクセス速度を低下させるフラグメンテーション(断片化)は、パソコンのパフォーマンスに大きく影響するが、断片化が進んでいるドライブ全体を最適化するにはかなりの時間を要する。そこで一般的には、定期的に最適化を行うことで進行をくい止めたり、なるべく普段のパソコン利用を妨げないように、アイドルタイムを利用して少しずつ最適化を行ったりといった対策が取られているが、「Defraggler」ではさらに、特定のファイル/フォルダだけを選んで最適化できるようになっている。
ファイル/フォルダの最適化には二つの方法がある。ひとつはメニューから任意のファイルを指定して実行する方法、もうひとつはドライブの解析を実行後、実際に断片化が発生しているファイルのリストから選択する方法だ。
「ファイルリスト」には「断片数」という項目があり、クリックで並べ替えてやれば、「断片化が進んでいるのはどのファイルか」が簡単にわかる。
さらにファイルを選択すると、「ドライブマップ上でどのあたりにファイルが書き込まれているか」も一目瞭然。あとはファイルのチェックボックスをマークして、デフラグを実行すればよい。最適化したいファイルがすでにわかっているのであれば、エクスプローラからコンテキストメニューで処理することもできる。
さらにもうひとつ注目されるのが、空き領域のデフラグを行う機能を備えていること。UltrabookなどですっかりおなじみになったSSD(ソリッドステートドライブ)に対しては、本来、ハードディスク向けに設計されたデフラグソフトでは効果が薄い(どころかドライブの寿命を縮める可能性もある)、一方でドライブの空き領域をデフラグすることで、速度の向上が期待できるともいわれる。「Defraggler」はフリーソフトながら、このための機能を備えている。速度の低下を感じているSSDユーザにとっては、手ごろな解決策となりそうだ。
そのほか、通常ではデフラグできないシステム関連のファイルを最適化する「ブートタイムデフラグ」や、スケジュール設定による自動実行に対応している点、海外製ながらインストール時に日本語を選べるといった点も見逃せない。
(福住 護)