ダイアリー(日記)という位置付けながら、情報が蓄積されると有力なデータベースに変化するのが「Speedy」だ。“ビジネスダイアリー”と称する通り、プロジェクトの進捗状況や訪問者リストなど、ビジネス関係で力を発揮する使い方もできるが、パーソナルな場面でも有効に利用できる。何日か試用してみて、「情報が蓄積されれば、大きな力になる」と感じた。入力する情報は何でもよい。仕事のメモや思いついたこと、Web情報のスクラップ、執筆のアイデアなど……。同様のことをほかのソフトで行おうとすれば、キーワードごとに別々にファイルを作っておくことになる。その必要がないのが便利だ。
「Speedy」の機能は、
- さまざまな情報を入力して、キーワードごとに取り出す
というシンプルなものだが、情報が蓄積されると力を発揮する。例えば「マラソン」というキーワードでカードを抽出すれば、箱根駅伝の情報、ロンドンオリンピックのマラソンの情報など、過去に入力しておいた「マラソン」に関連する情報を瞬時に検索できる。RTF形式やCSV形式での書き出しにも対応しているので、ワープロソフトや表計算ソフトで加工することもできる。「Evernote」のようにクラウドを利用するサービスも魅力的だが、個人情報や機密情報を保存するのに不安を感じる人も多いだろう。「Speedy」は、比較的安全に情報を管理することが可能で、その点でもメリットがあるだろう。
使い倒すには、とにかく「日々の情報をどんどん入力しておく」こと。何でも記録しておき、振り返りたいときにキーワードで絞り込み、確認できる有用なツールだ。万人向けのソフトではないかもしれないが、ナレッジシステムになり得ると思う。知的なデータベースを持ちたい方にお勧めする。
(川越 裕之)