雰囲気のあるシナリオと独特なシステムが特徴の、“味”のあるゲーム。主要メンバーのキャラクタ設定やグラフィックもなかなかのものだ。「イクシア」と、幻世を暴れ回る謎の生き物「黒竜王デルウィン=スレイヴニール」との因縁や、一話で知り合った「ミルル」もなにやら秘密がありそうで気になり、グイグイとストーリーに引き込まれていく。システム面では、「剣のお守り」を入手後、倒した魔物の一部が仲間になりたがるようになり、受け入れることで戦闘時のパーティのメンバー候補を増やすことができるのはおもしろい(戦闘に参加できるのは全部で4体まで)。
戦闘では「HP」「MP」「TP」の各パラメータを使う通常のもののほか、独自のパラメータ「SP(スカーポイント)」を採用する。攻撃を受けるたびにランプが点灯し、すべてのランプが点灯したのちに補助キーを押すと、SPをすべて消費して、そのターンの間だけ強力な効果を発揮できるようになる。
独自のシステムで全体が構成されているため、新鮮な気持ちでプレイできる。多少BL系の雰囲気も漂うが、それも含めて魅力的なゲームといってよい。
(秋山 俊)