OS X Mountain Lionに対応し、大幅なパフォーマンスの向上が図られた仮想環境ソフト「VMware Fusion」の新バージョン。Windows 8をゲストOSとして追加することも可能。「VMware Fusion」は、Intel CPU搭載のMacで、WindowsやLinuxなどのOSを動作させることができる仮想環境ソフト。OS X上に「仮想マシン」を構築し、ゲストOSをインストールして、アプリケーションを動作させる。Apple標準の「Boot Camp」のようにMacを再起動することなく、ゲストOSの環境を利用できる。新バージョン「5」では、前バージョンに対してパフォーマンスが大幅に向上。Mountain Lionで実装された新機能「Gatekeeper」に対応したほか、MacBook ProのRetinaディスプレイモデルやUSB 3.0など、Macで採用された新しいハードウェアにも対応した。ホストOSとして使用できるOS Xは、Snow Leopard(10.6.7以降)、Lion、Mountain Lion。
Windowsを使いはじめるための手順は簡単。簡易インストール機能により、Windows OSを用意するだけでインストールできる。さらに、仮想マシンに必要なデバイスドライバなどをロードして、適切に設定してくれる。
インストール時に「統合」モードで「よりシームレス」を選べば、MacとWindowsのドキュメント、アプリケーションが共有される。Macのホームフォルダは、Windowsエクスプローラのライブラリに認識され、Macの「ドキュメント」「ピクチャ」などのフォルダに簡単にアクセスすることが可能。デスクトップも統合され、MacとWindowsで共通のデスクトップアイコンが表示されるなど、Macと一体化した感覚でWindowsを利用できる。
動作モードは、
- ひとつのウィンドウにWindowsのデスクトップが表示される「シングルウィンドウ」
- アプリケーション別のウィンドウが表示される「ユニティ」
- Windowsのデスクトップが全画面で表示される「フルスクリーン」
の3種類。用途に応じていつでも切り替えられる。「ユニティ」モードでは、Windowsアプリケーションのウィンドウを、Macの1ウィンドウとして扱えるだけでなく、起動中のWindowsアプリケーションがDock上に表示され、Macアプリケーションと同様の感覚で切り替えながら利用することが可能。ステータスメニュー(メニューバーの右側)にはシステムトレイアイコンが表示され、Windows Updateによるアップデートや、USBデバイスの取り外しとなども、Macのデスクトップから簡単に行える。
「Boot Camp」のWindows環境を移行できることも特徴のひとつ。「Boot Camp」インストール済みのMacでは、「Boot Camp」パーティションから仮想マシンを作成することができ、既存の「Boot Camp」環境にあるWindowsアプリケーションを起動したり、ファイルにアクセスしたりすることができる。「Parallels Desktop」の環境をインポートして利用することも可能だ。
ゲストOSとしては、10月26日発売予定のWindows 8に対応。Windows 8で採用された新しい「Modern UI Style」を利用できるようになり、トラックパッドを搭載・接続したMacでは、スワイプやマルチタッチによる操作も行える。