個性的なキャラクタが生き生きと描かれた対戦格闘ゲーム。登場キャラ8人のうち7人が武器を使って戦うが──演出で誇張されてはいるものの──武器の操作法などに無理なところ、不自然なところがなく、気持ちよく楽しむことができた。一子相伝の暗殺拳も、ちょっと動きが固めのきらいはあるものの、感じがよく出ていて楽しい。オマケの存在にも笑った。
最大の魅力は、なんといってもキャラの個性的な言動だろう。女性キャラはかわいらしさの中にある凛々しさ、男性キャラは力強さと格好よさを兼ね備えたグラフィックと、デザインにマッチしたボイスの組み合わせがよい。対戦前と勝利後のセリフやポーズが複数用意され、各キャラの特徴が引き立てられているのもうれしい。竹林での「ビャッコ」との対戦中、ビャッコの足踏みによる振動で二人の娘が落ちてきたり、「ラーエル」戦ではラーエルのお供も一緒にポーズを取ったりする演出も楽しい。
コンピュータがやや強く、キャラの操作に慣れないと、なかなか勝つことはできない。ただし現バージョンでは、「1プレイヤーモード」で勝っても負けても、次の対戦に自動的に移行し、最後まで対戦を続けることができる。ただし、対戦が可能なのは4試合まで。全試合が可能なバージョンの完成が待ち遠しい。
(秋山 俊)