画材店などに行くと、イラスト作成用として、自由なポーズを取らせることができる人形「デッサン人形」が販売されている。「デザインドール」は、このデッサン人形をコンピュータ上で実現するソフトと考えればよいかもしれない。デッサン人形は、各部のパーツが固定であるがゆえに等身や体型、あるいは性差などによる体格の違いは表現できない。必要であれば、それらの差を持つ複数の人形を用意する必要がある。これに対して「デザインドール」では、各部のサイズなどを自由に調整でき、異なる体型・体格を容易に表現することが可能だ。
さらに、デッサン人形では関節部分が目立ってしまうのに対し、「デザインドール」では、関節部分がスムーズに繋がるような処理が行われるため、より自然な感じでポーズを取らせることができるのもメリットのひとつだ。
もちろん、実際に手で触れて、直接的にポーズを変更できるデッサン人形に比べれば、いくら操作が容易とはいえ、画面上でマウスによってポーズを変更するのはもどかしさがある。しかし「デザインドール」では、ポーズ変更をできるだけ簡単な操作で行えるように考えられているし、3D画像を作ること自体を目的とした、いわゆる「3Dソフト」に比べれば、よりデッサン人形に近い操作性を備えている。ただ単に操作するだけでもおもしろい。多くの方にぜひ一度、試していただきたいソフトだ。
(天野 司)