「コンピュータは0と1の2進で数値を表す」というのは、初心者に対しての説明ではよくいわれること。間違いではないのだが、しかし、少しでも勉強した人ならわかるように、実際にコンピュータプログラミングで最もよく使われるのは(10進以外では)16進だ。つまりコンピュータについて勉強するなら、2進もそうだが、16進についても知識が必要というわけだ。「HexMaster」は、まさにこの16進を学習できるソフトだ。単に原理や表記を学ぶだけなら、コンピュータの入門本にはまず間違いなく記述されているし、ちょっと検索するだけで、こうしたことを説明しているサイトもたくさんある。だが「HexMaster」では、これを実際に「演習」で確認できる点が大きい。いくら勉強しても、実際に使ってみないとわからないことも多い。
さて、「HexMaster」の「演習」だが、「16進⇒2進」変換だと、上に書いたように変換作業に要する時間も計測される。全問正解するまで「演習」は終了しないので、間違いも出る最初の頃は、かなり時間がかかることもあるかもしれない。ただ、ある程度変換に慣れてきて、間違えることもなくなると、あとは2進の勉強というより、マウス操作の勝負という色彩が強くなる。このあたりは、例えばキーボードからも入力できるようになると、より操作性が上がるかもしれないと感じた。
とはいえ、楽しみながら16進や2進を勉強できるというのは、これまでにない新機軸ではないだろうか。とりわけ、コンピュータの勉強をはじめたばかりの方にお勧めしたいソフトだ。また、初心者向けだけでなく、例えば16進数同士の足し算や掛け算などを「演習」できる「中級者向け」機能などにも期待させられる。
(天野 司)