英日・日英翻訳は、最近ではWebサービスなどで無料で利用できるのが当たり前になっているが、それでも“使える”翻訳を目指そうとすると、やはりローカルマシン上で使用するアプリケーションにはかなわない。なぜかといえば、現在の翻訳ソフトはどれほど精度が高いものでも、自分が意図した翻訳が行われるように原文側を編集する「プリエディット」が欠かせないからだ。原文を試行錯誤で編集しては翻訳してみる──この繰り返しを行うことを考えると、Web上の翻訳サービスでは使い物にならない。ゆえに「コリャ英和!」のような翻訳ソフトが必要となる。「コリャ英和!一発翻訳 2013 for Win」の翻訳機能が使いやすいと思えるのは、この「原文を編集しながら翻訳」という作業が非常にやりやすい点だ。より具体的に言うと、三面確認により、翻訳した結果をさらに逆翻訳して、原文と比較できる点がうれしい。例えば、日本語から英語に翻訳する場合、翻訳された結果の英文だけを見ても、その翻訳が本当に正しく翻訳されているかどうかは、ある程度英語の知識がないとわからない。そもそもそれだけの英語力がある人なら、翻訳ソフトを使わずとも英訳できてしまうだろう。
しかし、できあがった英語を逆翻訳して、もう一度日本語にしてくれるこの機能なら、原文の日本語と再翻訳後の日本語を比較すればよい。これなら、原文の言語を理解できる人なら誰でもできる。こうした細かな配慮は、Webサービスの翻訳ではできない、専用の翻訳ソフトならではの機能だ。
もちろん、単語ごとに訳語を選んだりといった対話的機能も重要なのだが、正しい翻訳結果かどうかを確認する基本的機能こそが、翻訳ソフトにとってなにより重要な点だと思う。
(天野 司)