機能、人、組織など、さまざまな「物」を表す複数の箱(ノード)と、ノード同士を結び付ける線(アーク)によって、さまざまな関連を表現できる「関連図」。特にビジネス分野ではこうした図を描く機会は非常に多い。業種にもよるだろうが、筆者などは、感覚的には作成する図のうち3〜4割くらいはこの種の図を描いているように思う。しかし、いざこの種の図を描こうと思うと、案外、適したアプリケーションが少ないことに気づく。例えばExcelであれば、ノードを配置し、それらを矢印で結び付けるような図を作成するだけなら簡単だ。「コネクタ」機能を使えば、ノード同士を結び付けたあとで移動させても、アーク(コネクタ)は追従してくれる。
だが惜しいかな、Excelのコネクタは、線の配置のバリエーションがあまりに少ない。移動させた結果、ほかのオブジェクトと線分が重なってしまうような場合でも、それを避けるような柔軟な配置は行えない。「ハイパー関連図」で使えるような「マタギ線」や「中略線」なども使えない。機能数だけでいえば、Excelの作図機能の方が多いが、こと関連図を描くということに関しては、「ハイパー関連図」の方が圧倒的に多い。Visioと比較しても、「ハイパー関連図」には及ばないかもしれない。
組織図や家系図だけではなく、例えばネットワーク構成図や作業手順説明図、あるいは緊急連絡網のようなものも「ハイパー関連図」にとっては守備範囲だ。こうした図を描くのに苦労した経験があるのなら、ぜひ使ってみていただきたい。
(天野 司)