「Disk1」だけでも総勢20名以上のキャラクタが登場する「Grimoire Hearts」。あらすじだけを見るとシリアスな物語に思えるが、キャラクタたちの会話は全編にわたってコメディ色が強い。登場キャラクタは誰も彼もどこか変なところがあり、筆者はキャラクタのボケに対して、モニタに向かってついツッコんでしまうことが何度かあった。プレイ時間はだいたい8時間から10時間ほどだが、余計な会話がなければもう少し短くなったのでは……と一瞬考えてしまった。しかし、会話自体は非常におもしろく、テンポもよい。飽きることなくプレイできる。コメディ一辺倒というわけでもなく、きちんと見せ場も用意され、読み応えのあるシナリオとなっている。ストーリー重視のRPGが好きな人にはぜひお勧めしたい。
戦闘の難易度は比較的低めの設定で、セーブはどこでもOK、戦闘のたびにHP/MPが全回復するユーザフレンドリーな仕様だ。個人的に感心したのはグラフィック。大量のキャラクタが登場するにもかかわらず、各キャラクタの表情は豊かで、しかもクォリティが高い。塗りが非常に美しく、立ちCGに関しては製品レベルのものと比べても遜色はない。キャラクタに関しては、設定、会話、グラフィックと文句のつけようがない仕上がりだ。
全四章の第一章だが、今後の展開には大いに期待が持てる。王道ファンタジーRPGが好きな方には、ぜひプレイしていただきたい作品だ。
(早川 陽子)