きわめて多彩な機能を備えた“デジタルメディアツールキット”。ユーザインタフェースが一新され、従来以上に使いやすくなった。「Roxio Toast Titanium for Mac」は、映像・画像・音声などのデータをCD/DVD/Blu-ray Discに書き込んだり、映像などのソースからデータ取り込んだり、iPad/iPhoneをはじめとしたポータブルデバイス用にデータを変換したりできる“定番”多機能マルチメディアソフト。新バージョン「11」では、インタフェースがよりユーザフレンドリーになったほか、YouTubeやFacebookといった動画サイトへのアップロード(共有)機能や、複数ドライブへの同時書き込み機能も追加された。さらに、H.264のエンコーディングも高速化されるなど、さまざまな点で機能強化が図られた。
「Toast」シリーズの大きな特徴のひとつがわかりやすく、使いやすいインタフェース。データの取り込みからファイル形式の変換、光学ディスクへの書き込みや外部デバイスへの書き出し、Webサイトへのアップロードまでの一連の作業を、はじめてでも戸惑うことなく簡単に行える。新バージョン「11」ではインタフェースを一新し、画面上部に「データ」「オーディオ」「ビデオ」「コピー」「変換」の各カテゴリーボタンを配置。速やかにプロジェクト(機能)にアクセスできるようになった。操作はいずれも、
- ボタンでカテゴリーを切り替え、開始するプロジェクトを選択
- 使用する映像・音声ファイルをメディアブラウザで選択
- 画面上のメニュー/ボタンで書き出し先を選択(必要に応じてオプションを設定)
- 書き込み/コピー、変換を実行
という流れで進めてゆく。作業の簡単な指示(「ここにファイルをドラッグ」など)が画面上に表示されるほか、「保存先選択」「コピーの作成数」など、設定に必要な項目/メニューが同一画面上に並び、戸惑うことなく設定できる。もちろんオプション画面で詳細な設定を行うことも可能だ。画面上部に並ぶカテゴリーのうち「データ」では、ファイルをそのまま光学ディスクに書き込むことが可能。作成できるのはMac OS用、Mac/Windows互換、ISO 9660準拠などのデータディスク、Mac/Windowsの両方で利用できるPhotoDiscなど。マウントされた複数のドライブに対して同時書き込みを行うことも可能だ(CD/DVD/BDの同一種類のメディア)。
「コピー」では、データを別のディスクにコピーしたり、ディスクイメージとしてファイル化したり、Macのディスクイメージファイルを光学ディスクに書き込んだりすることが可能。Mac/Windowsのディスクイメージをマージして、ハイブリッドの光学ディスクを作ることもできる。「データ」同様、複数ドライブへの同時書き込みも行える。
「オーディオ」では、音声ファイルを読み込んで、オーディオ機器で再生可能な光学ディスクを作成できる。オーディオCDやミュージックDVD、MP3ファイルを書き込んだCD/DVD、音楽と写真/ビデオが混在する「エンハンストCD」を作成することも可能。音声レベル調整やノイズ除去、不要部分のカット、エフェクトなど、充実したオーディオ編集機能を備え、本格的な音楽CDオーサリングを楽しめる。バージョン「11」では「DVD-Videoディスクからの音声の抽出」「Mac OSで動作中のアプリケーションからの録音」などの機能が追加された。
「ビデオ」では、DVD/BDプレイヤーで利用可能な光学ディスクを作成できる。VCD(ビデオCD)、SVCD(スーパービデオCD)のほか、HD画質のデータを使った「高解像度DVD」を作ることも可能。取り込めるファイル形式は多彩で、iMovieHD/DivX Plus HD/AVCHDなど、QuickTime対応の主要形式はもちろん、DV/HDV/AVI/MOV/H.264/MPEG4などの高品位画像形式にも対応する。DVD-Video内に格納された映像ファイル(VOB)を利用することも可能だ。
「変換」では、映像・音声ファイルをはじめ、Mac内のイメージファイル、DVD-Videoやオーディオブック内のコンテンツなどを元データに、外部のポータブルデバイスや動画サイト向けの形式にコンバートすることが可能。iPod/iPad/iPhone、AppleTVをはじめ、ゲーム(PlayStation3、PSP、Xbox 360、Wiiなど)、携帯電話(Android/BlackBerryなどのスマートフォン、3G携帯)など、多彩なデバイスに対応する。操作は、転送したいデバイス名を選び、品質やファイルの保存先を指定するだけと簡単。映像・音声の形式など、細かい設定は自動的に調整してくれる。動画サイトのファイル形式(YouTube、Vimeo、Facebook、Flash)への変換機能では、あらかじめアカウントを設定しておくことで、その場で動画サイトにログインし、変換後のデータをそのままアップロードできるようになった。
Mac内のコンテンツにアクセスするためのメディアブラウザも搭載する。新バージョンでは、Apple標準のiLife系アプリケーション(iTunes/iPhoto/iMovie)のライブラリをプレビューできるようになった。さらにメイン画面との分離も可能になり、操作性が向上した。
スケジュール機能も追加された。長大な時間がかかり、CPUへの負荷も大きい動画変換を、夜間などの空いた時間に行える。開始する時刻(年/月/日/時/分)または現在からのカウントダウン(×時間×分後)で設定することが可能。高画質映像を変換するときに便利だ。
「Toast 11」とは別に、単独で動作するツールも付属する。
- CD/DVDのカタログデータを簡単に作成できる「DiskCatalogMaker RE」
- オリジナルのDVD/CD/BDラベルをデザインできる「DiscCover 3 RE」
- LPレコードなどのアナログ音源をキャプチャできる「Spin Doctor」
- 簡単な操作でバックアップ/クローンの作成・同期を行える「Get Backup RE」
などが含まれる。