自らの出生の秘密を知るため、城を出奔し旅をする王子の感動物語。魔法開発システムや宝石による独自の強化システムなど、やり込み要素が多い。「月の涙」は、紫色の空に二つの月が浮かぶ、太陽のない寒冷な世界が舞台のRPG。あたりは一面の銀世界。雲もないのに雪が降ることから、人々はこの雪を「月の涙」と呼んでいた。
ゲームの主人公は、心優しい王子「ケイト」。快活で頼りがいのある父王「ウォルド」のもとで何不自由なく暮らしていたが、ある事件をきっかけに自らの出生に疑問を持つようになり、城を出ようと決意する。幼いころから常にそばにいる、人間でも魔物でもなさそうな容姿の不思議な友人「ルピット」とともに冒険の旅に出る。
ゲームの大きな特徴が、主人公を強化するアイテム「タリスマン」。一般的なRPGでは、敵を倒せば経験値がたまり、一定以上たまるとレベルアップするが、「月の涙」では攻撃力や防御力、魔力などのステータスは最大で99までしか上がらない。これ以上にステータスを上げるには「タリスマン」が必要になる。
「タリスマン」は、「ペンタクル」と呼ばれる土台に宝石をはめ込むことで完成させる装備品。はめ込む宝石は全部で10種類。攻撃力、防御力、敏捷性、魔力を上げるステータス強化系の宝石は4種類。1〜10カラットまでの大きさがあり、大きな宝石ほど強化能力が高い。そのほか、毒攻撃やステータス異常などへの耐性をつけられる宝石が6種類ある。
「タリスマン」を作る上で重要なのは、宝石の土台となるペンタクルの「ポスト」の数だ。ポストは宝石をはめ込むスロットで、ひとつのペンタクルにはポストの数だけの宝石をはめ込める。ポストの数は5から10までの6種類。ポストの数が多いペンタクルほど手に入れるのは困難だが、例えば「ポスト数10のペンタクル×10カラットの攻撃力アップ宝石→攻撃力100アップ」というように、飛躍的な効果が見込める。ポストをすべて埋めると、はめた宝石に応じて攻撃力が上がるといった特殊ボーナスももらえるようになる。
主人公は、魔法をメインに使って戦う。最初の戦闘までに「火の魔法」をひとつだけ覚えているが、ゲームの進行とともに最大で四つまで覚えられるようになっている。
魔法は、使うことでレベルを上げることができ、レベルが上がれば、魔法を組み合わせることができる。例えば、「火」の魔法と「土」の魔法がレベル2の場合、通常の「火」の魔法や「土」の魔法のほか、「火火」や「土火」といった魔法を発動できる。組み合わせは最大四つまで。ただし、二つめ以降に選択できる魔法は魔法レベルに依存する。組み合わせ次第で、魔法が強力になったり、単体攻撃が全体攻撃になったりと、さまざまな効果が期待できる。
魔法を使えるのは戦闘中だけではない。街中やダンジョン内で「?」マークが現れた場所でも、その場所に応じた魔法を使える。正しい魔法を選択すると、新しい道が現れたり、アイテムを手に入れたりできる。