2006年のベストオンラインソフトに挙げるのは、ジャストシステムの「たたいて気づく『問題な日本語』」だ。正しい日本語表現を学習しながら、さらにはタイピング練習も行えるという「日本語総合トレーニング」ソフトである。
パソコン関連のライター(本人は「テクニカルライター」と自称しているのだが)のことを、小説家などと同じ「物書き」と呼んでよいのかどうかはわからない。しかし、いずれにしろ確実に言えることは「この職業はほかの多くの人に比べて、文章を書く量が段違いに多い」という点だ。
しかもその文章には、大きな特徴があり、極めて高い「正確性」が求められる。読みやすさと正確さとを比べるなら、圧倒的に正確さの方が重要となる。もちろん「読みやすくかつ正確な文章」が一番いいのだが、仮にどちらか一方を選べというのなら、間違いなく正確性の方が重要だ。内容に嘘が含まれないのはもちろん、誤った表現、誤解の余地が残る曖昧な表現などは許されない。
今年選択した「たたいて気づく『問題な日本語』」は、こうした正確さを要するライターにとって、非常にありがたいソフトだ。主要機能は、
「タッチタイプレッスン」も、意外に役に立つ。毎日のように大量に文章を入力していると、いまさらキーボード練習など必要ないと思われるかもしれない。確かに、単にキー入力の速さだけをいえば、自分は決して遅い方ではないという自負もある。だが、それは単に速いだけ。実際の指使いはかなり自己流で、いわゆる「悪い癖」がついているところも多い。それに、自慢できた話ではないが、ミスタッチも結構ある。こうした「悪い部分」を見直す意味では、やはり体系だった練習が役に立つのである。実際、普段はひたすら文章を入力し続ける仕事だからこそ、こうした「基本的練習」が役に立つといえる。
そうした意味で、今年は「たたいて気づく『問題な日本語』」をベストソフトとして挙げさせていただいた。もちろん、筆者のような職業でなくても、十分に役に立つソフトであろう。