「やるぞ!確定申告2011」の大きな特徴は、申告書類がそのままインタフェースになったような画面構成と、詳細な解説機能だ。メインメニュー画面の右半分に並ぶボタンをクリックすると各提出書類用の入力画面が現れるが、これがそのまま提出書類を取り込んだような縮小イメージとなっている。この縮小イメージは、ブロックごとにに太い枠線で囲まれ、大きなサイズで番号まで振られているため、「どのエリアからどのような順序で入力していけばよいのか」がすぐにわかる。
実際に各ブロックをクリックすると、そのエリアだけに絞りまれた入力画面が現れる。このときも左側には用紙の縮小イメージがそのまま表示されているし、用紙の各項目に振られた記号や番号も申告用紙そのまま。脇に用紙を置き、つき合わせながら見てゆけば、入力個所で悩むことはまずないだろう。もちろん明細書などからの転記も可能だし、「複数の書類のうち、どれから手をつけたらよいのか」といった大まかな流れも説明されているので、安心だ。
もうひとつの特徴は、各項目に関する説明がとても丁寧なこと。入力項目の見出し部分をクリックすると、解説画面が表示されるようになっている。ここには具体的な入力の例をはじめ、(自動転記が可能な項目であれば)他の書類のどの項目から転記されるのかといったことや、その項目独自の注意事項などがこと細かに解説されている。確定申告書類をより深く理解したい人には何よりの手助けとなるだろう。
入力以前に「そもそもどの書類を提出したらよいのかわからない」という場合は、「提出書類ナビゲーション」機能を使えばよい。職業や所得の内容、受けたい控除の種類といった項目に答えると、必要な書類を教えてくれる。
すべてのデータの入力が終わったら、あとは印刷するだけで、税務署へ提出できる書類一式が完成する。このとき白紙を選んで出力すれば、申告用紙の枠線や項目名などがそっくり印刷されるし、税務署が配布している申告用紙に出力することもできる。税務署配布の用紙に印刷する場合には、基本的に年度や氏名、住所といった項目があらかじめ印刷されているため、印刷不要な項目を選ぶこともできる。
申告書類は、1ユーザ3件まで作成することが可能。データのバックアップ/読み込み機能も備える。「やるぞ!青色申告2011」のユーザも、確定申告書の作成には「やるぞ!確定申告2011」を使用するので、そちらで作成したデータを読み込むことも可能だ。前年版の「やるぞ!確定申告2010」から基本情報や前年の決算書、減価償却など、引き続き使用する情報などを取り込むことができる。
ユーザサポートには専用のメールアドレスやナビダイヤルが設けられ、基本的には月曜〜金曜の10:00〜12:00、13:00〜17:00の対応となっている。確定申告期間中(2月15日〜3月15日)は、土日・祝日もサポートを行う。e-Taxによる電子申告に対応しているが、これは有償サービスで、なおかつ住民基本台帳カード等の登録などの事前手続きが必要となる。