では、現在公開されているCat's Eye Viewシリーズについて紹介してゆこう。タイトル名のあとのカッコ内は対応しているプラットフォームだ。
Cat's Eye View vol.1/vol.2 (Mac)
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Cat's Eye View vol.1
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この2作品はMac用のみがリリースされている。内容は、ごくシンプルなスライドショウで、BGMや特に凝った演出などは使われていない。
作者によると、初めて制作した「Cat's Eye View」という作品(未公開)に「SUMMER TIME」という別の作品の画像を加えて分割・再編集したものということで、使われている絵の中にはのちの作品にも登場するものも多数見られる。
いずれの作品にもアニメーションGIFファイルがそれぞれ1点付属していて、そちらも含めて以後の作品のベースとなったものといっていいだろう。
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Cat's Eye View vol.3 (Mac/Win)
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この作品からはMac版だけでなくWindows版もリリースされるようになった。初期の2作品はひとつのストーリーを感じさせるスライドショウだったのに対し、この作品はいろいろな内容を詰め込んだ小話集といった趣がある。内容もコミカルなものが多く、オープニングでいきなり犬の鳴き声がして“Dog's Eye View”というタイトルが現れるところからしてズッこけてしまう。
イヌのグチ(?)を聞かされたあと、コンテンツメニューが表示される。内容は以下の7本だ。
- ARTISTASTER──傑作はこうして作られる?
- GYMNASTICS──一瞬芸? 転がるネコのしぐさがかわいい
- FISHISNG──魚を釣る老ネコのおはなし
- BIRD──ネコにとっての鳥って……
- DANCE FOR DOGGY──ドラムのビートに乗ってグラフィックパターンが変化する
- TRAGIC LOVE──隣に住んでいるかわいい牝ネコがある日わが家の庭へやってきた!
- BUTTERFLY──蝶々と戯れるネコ。クリックするといろいろなリアクションが
コンテンツはメニューから個別に選ぶだけでなく、連続して見ることもできるようになっている。また、コンテンツ間にもさらにちょっとしたつなぎがあって、オープニングに登場した例のイヌ君が狂言廻し的に登場したりする。
各コンテンツにはBGMや効果音が入る。スライド自体は英文のテキストが書き込まれているものがほとんど。英語が苦手な人にとって、じっくり読むには各スライドの表示時間が短いが、おおよその雰囲気はつかめるだろう。
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(左)vol.3で案内役を務めるイヌくん。飼い主の愛情がもっぱらネコに注がれるのがご不満らしい(オープニング)/(右)隣に住む憧れのネコがある日ウチへやってきた。クロの胸は高鳴る! だが、その直後に見たものは?(Tragic Love)
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Cat's Eye View vol.4 v2.0 (Mac/Win)
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vol.1を発展させた完成形といえる作品。最初のリリースから約3年を経て、この春にv2.0がリリースされた。バージョンアップの内容は、作者の画像処理に対する知識が向上したのを受けてのクォリティアップで、特にWindows版ではMacintoshのガンマ値との違いに基づく明るさの差を補正したとのことだ。また、海外からのリクエストに応えてフランス語版も新たに登場している。
内容は、
- The Stray Cat
- Etsuko's White Kuro
の2本。どちらもあるストーリーをベースにしているが、前者はBGM入りで自動再生するのに対して、後者はBGMがない代わりに、マウスをクリックするたびにグラフィックとテキストが交互に表示されるという絵本的な構成となっている。
やわらかいタッチと色使いのグラフィックと、アップテンポでビートが効いていながらセンチメンタルな感触を残すBGMがうまくマッチした前者はとても印象的。エンドレスで繰り返し再生されるのでスクリーンセーバ代わりに表示させておくのもよいだろう。
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(左)vol.4は女の子に拾われてきたネコの物語/(右)オートプレイのほかに絵本のように読み進んでいくモードがある
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