日の出、日の入りを基準にした、江戸時代の不定時法を再現する時計ソフト。3針もあり、現代の定時法による時刻(時/分/秒)を知ることもできる。「江戸時計」は、江戸時代に採用されていた不定時法による時刻を表示するアナログ時計ソフト。不定時法では、まず日の出と日の入りで一日を昼と夜に分け、さらに昼と夜を各6等分した時間の長さを一刻(とき)と呼んだ(これが時間を数える単位になる)。時刻は、それぞれの一刻に対して真夜中を挟んだ部分から順に、子、丑、寅……の十二支を割り当てて示す。例えば、日の出前後が卯の刻、正午前後が午の刻、日の入り前後が酉の刻となる。
昼と夜の長さを基準にした不定時法では、一刻の長さが伸び縮み(夏は昼間の一刻が長く、夜間の一刻が短く)することになる。この特殊な計時法を再現するため、「江戸時計」ではユーザがあらかじめ指定した都市で日の出、日の入りの時刻を計算し、一刻を示す文字盤の幅(面積)を変化させる。位置は都市名だけでなく、緯度/経度/標高で直接指定することも可能だ。
時計のデザインは、通常の文字盤(1時間刻み)に、刻を示す文字盤が二重に取り巻くもの。不定時法の時刻を知るには、短針の示す位置を見ればよく、
- 午前(0〜12時)の刻は、外側の「子〜巳」の文字盤
- 午後(12〜24時)の刻は、内側の「午〜亥」の文字盤
で読み取るようになっている。一刻を4等分した「一つ」「二つ」「三つ」「四つ」の計時にも対応し、タイトルバーには現在時刻が「とりのよつ」のように表示される。一般的な時計と同様に3本の針(長針/短針/秒針)もあり、現代の定時法による時刻も読み取ることができる。時計のデザインは、好みでカスタマイズすることが可能。文字の色/フォント、針(長針/短針/秒針)の色、区切り線の色、画面の表示サイズ(縦/横)、画面の透明度をユーザが指定できる。
使用するNTPサーバは、登録されたリストから選択できる。各サーバにアクセスして、中継数と応答秒数をチェックする機能を備え、“近い”サーバを知ることもできる。リストへのサーバの追加・削除や、リスト順位の変更も可能だ。