写真共有サービス・Picasaとの連携や、Windows 7のマルチタッチ機能への対応などが行われた“定番”はがき作成ソフト「筆ぐるめ」の新バージョン。「筆ぐるめ」は、年賀状やグリーティングカード、写真入りシール、ビデオやCD-R/DVD-Rのラベルなどを簡単に作成できるソフト。テンプレートを選び、ウィザードに従って操作してゆくだけで、見栄えのする印刷物を簡単に作成できる。「ナビ」機能を搭載し、はじめて使う人でも戸惑うことなく操作することが可能。新バージョン「2011」では、Picasaとの連携、マルチタッチへの対応のほかにも、コンテキスト(右クリック)メニューからワンタッチで年賀状を作成できる「かんたん右クリック作成」機能の追加などが行われた。Windows 7/Vista 64bit版にも対応した。
「筆ぐるめ 2011」では、
- 住所録の管理と郵便物の宛名書きのための「おもて(宛て名)」
- 文面やシールなどを作成する「うら(レイアウト)」
の各タブ画面を使って印刷物を作成してゆく。起動直後には「ナビ」画面が表示される。「ナビ」には「住所録を作る」「住所録を開く」「年賀状を作る」といった項目が用意され、ウィザードに従って選択してゆくだけで、目的の画面を開ける仕組み。その後も、メイン画面左側に表示されるガイドに従って操作すれば、迷うことなく作業を進められる。「おもて(宛て名)」では、住所録の管理に加え、宛名面のレイアウト作成から印刷までを行える。住所は、カード型データベース風のフォームに直接入力できるほか、ウィザード形式の入力機能「かんたん宛先追加」を使って入力することも可能。いずれの場合も氏名や住所の入力を開始すると、人名や地名の候補が表示され、わずかなキータッチ数で入力を行える。「かんたん宛先追加」には、郵便番号や電話番号から住所の候補を表示する機能も用意されている。
住所データは、自宅宛て/会社宛てを切り替えられるのはもちろん、会社宛ての中でも、会社宛て(個人名などを出力しない)/部署宛て/個人宛てを使い分けることが可能。差出人も複数を登録できるのに加え、ひとりの差出人でも、宛て先が自宅宛ての場合と会社宛ての場合とを使い分けられる。年賀状や暑中見舞いの履歴を記録する機能では、出し受けの記録以外に、コメントをつけたり、はがきのスキャン画像を登録したりすることができる。
「おもて(宛て名)」で作成できるレイアウトは、はがき(年賀はがき、普通はがき、暑中見舞い用はがき、往復はがきなど)や封筒、タックシールなど。いずれもテンプレートを選ぶだけで、簡単にレイアウトを作成することが可能だ。
「うら(レイアウト)」には、「白紙」のほかに、さまざまなテンプレートがグループ化され、用意されている。「白紙」には、はがき、普通紙、封筒、名刺・写真シール、CD-R/DVD-Rラベルなどのテンプレートがある。イラストや画像までレイアウトされたテンプレートでは、文面を修正したり、写真を入れ替えたりするだけで、オリジナルの年賀状・はがきを作成することが可能。テンプレートグループは「干支年賀状」「年賀状」「暑中見舞い/残暑見舞い」「クリスマス」「結婚」など、多数の種類が用意され、さらに例えば「年賀状」では、定番、目上、ともだち、写真付年賀状などに分類されている。
画像編集機能も充実している。基本的な図形の描画やペイントツールによるお絵描き、フレーム画像の割り付け、画像補正、付属している素材イラストの色を自由に変更できる色チェンジなどの機能がある。なかでも画像補正は、ガンマ値やホワイトバランス、色相補正、水彩画風への変換、モザイクやポスタライズなどのフィルタ処理、回転、拡大・縮小、トリミング、ドロップシャドウなどの機能を備え、年賀状の作成用としては十分過ぎるだ。
印刷・出力関連機能では、宛て名面/うら面の印刷、住所録の一覧印刷のほか、メールによる送信や、指定日時になると画像を閲覧できる「仮想郵便局」への送信なども可能だ。
新バージョン「2011」では、インターネット上のアルバム(Picasa)から素材画像をダウンロードしたり、送受信記録に登録したはがきの画像をPicasaやEvernoteにアップロードしたりといったインターネットとの連携、3Dはがき印刷サービスへの対応、Windows 7のマルチタッチへの対応などが新機能として追加された。64bit版Windows 7/Vistaへの対応、アイロン転写などに便利な鏡面印刷機能の搭載なども行われた。
そのほかにも、
- 住所録のバックアップ、結合、他の住所録データの取り込み
- 落款の作成
- 路線検索や地図ソフトとの連携
などが可能。第1水準/第2水準にない、特殊な人名漢字などが含まれる補助漢字も利用できる。