「ユニバーサルドキュメントコンバータ（Universal Document Converter）」は、印刷可能なデータファイルをPDFまたは画像に変換できるソフト。仮想プリンタとして動作し、印刷機能を持つアプリケーションからデータ変換を行える。出力（変換）できるのは、PDFとBMP/JPEG/GIF/PNG/PCX/DCX/TIFF形式の画像ファイル。出力ファイルの形式など、変換に関する設定はプリンタのプロパティで行う。

使い方は簡単。アプリケーションの「印刷」でプリンタに「ユニバーサルドキュメントコンバータ」を選択し、実行するだけでよい。実行後に表示されるダイアログでファイル名を指定すれば、ユーザの指定した名前でPDFファイルまたは画像ファイルが出力される。

PDFへの変換では、色深度（白黒、4bitカラー/グレースケール、8bitカラー/グレースケール、24bitカラー）のほか、「複数ページ（マルチページ）の文書をPDFでどう扱うか」を設定することが可能。マルチページを、

• 1ページごとに1ページのPDFファイルにする
• 文書全体をひとつのマルチページファイルにする
• すべてのドキュメントを既存のファイルに追加する

画像ファイルへの変換でも、色深度を設定することが可能。詳細設定は画像形式ごとに異なるが、TIFF/DCXといったマルチページに対応した形式では、PDFと同様のマルチページ設定を行えるようになっている。

出力ファイルにウォーターマークを入れる機能もある。テキストまたは画像を、スタンプや透かし、または背景として入れ込むもので、「重要」「社外秘」などの文字やロゴマークなどをウォーターマークにできる。入れる位置や回転、余白も指定できる。

そのほかにも、

• 幅や高さに合わせた自動リサイズ
• 出力先やファイル名自動付加の設定
• 変換後の動作（何もしない、出力先フォルダを開く、既定のアプリケーションで開く、指定プログラムを実行する）の設定
• 設定の保存・読み込み

ファイルを画像化することのメリットはいくつかある。ひとつはホームページ（HTML）やPowerPointに貼り付けやすくことであり、さらには環境（アプリケーションやフォントなど）に依存しないで閲覧できるようしたり、あるいはテキスト部の安易なコピーを防いだりといった効果がある。

操作はきわめて簡単。一般的な印刷の場合とまったく同じ手順を踏めばよく、定型的な変換であれば（プロパティからの設定変更がいらないのであれば）、アプリケーションの「印刷」ボタン一発で済んでしまう。プロパティ設定画面から開かれるヘルプは英語のものだが、簡単な日本語マニュアルも付属しており、なによりヘルプの存在が不要なくらいに使いやすい。

「UDC」はPDFだけでなく、印刷できるデータなら、ほとんどすべてのものを画像に変換にできます。先日もポスターの作成を頼まれてWordで作成しましたが、使用したフォントがクライアントのパソコンになかったので、作成通りに表示できませんでした。そこで、「UDC」でJPEGに変換して納品しました。画像変換は、ホームページの素材作りにもとても便利です。「UDC」は、画像の大きさを自由に設定できて、余白も自動で切り取ってくれます。GIFアニメも簡単に作成できます。

「UDC」のPDF変換もとても便利です。私は、自社のパソコン教室や学習塾の教材作りに毎日使っています。教材を作成している途中でも、「印刷」ボタンをクリックするだけで、すぐにPDFに変換できます。「UDC」は、既存のPDFに追加することも可能です。これにはびっくりしました。WordとExcelといった異なるアプリケーションで作成したものでも、ひとつのPDFに保存できるのです。データの共有や保存にとても便利です。

とても便利なソフトなので、ひとりでも多くの人に使ってもらいたいと思い、日本で販売できるよう交渉しました。なお、「UDC」の日本語化は、私が行いました。