Mac OS X 10.6(Snow Leopard)に対応したデフラグソフト。64bitカーネルにもネイティブ対応する。「iDefrag 4」は、ディスク上のファイルの断片化(フラグメンテーション)を診断・最適化し、起動時間やファイルアクセス時間などのパフォーマンスを向上させるソフト。Mac OS Xのファイルシステム「HFS+」の自動最適化機能では行えない、システムファイルやメタデータの最適化も行えるのが特徴。新バージョン「4」では、Snow Leopardへの対応が図られたほか、ファイル単位での最適化も行えるようになった。起動ボリュームに対するデフラグでは別途、起動(ブート)ディスクを作成することなく実行することが可能。空き領域のないボリュームも最適化を行えるようになった。HFS/HFS+/HFSXの最適化に対応する。
メイン画面は「レイアウト」「統計」「ファイル」の各タブ画面からなる構成。「レイアウト」では、上側にユーザの選択したボリュームのブロックグラフが、下側にはバーグラフが表示され、断片化された部分や割合をひと目で把握できる。ブロックグラフでは、ブロックを使用しているファイルの種類やクラス(ジャーナルファイル、カタログファイルなど)が色分け表示される仕組み。さらに「統計」では、ファイルの断片化数や断片化率などの数値が、また「ファイル」には断片化の多いファイルの一覧が表示され、最適化を行うかどうかの判断材料にできる。
デフラグの操作は、(1)対象ボリュームを選択して診断し、(2)最適化方法を選択して、(3)実行する、の3ステップ。最適化方法は5種類のモードから選択できる。
- すべてのファイルを最適化する「すべて最適化」(メタデータ+カスタムの併用)
- データをできる限り先頭にまとめる高速モードの「コンパクト(オフライン)」。空き領域は圧縮するが、ファイル自体の最適化は行わない
- ボリュームをマウントしたままで、使用していないファイルのみ(システムファイルはすべて対象外)を最適化する「クイック(オンライン)」。排他アクセス権が得られない場合や、再起動する時間がない場合などに適する
- メタデータ(ファイル名、記録場所、属性情報などを格納するエリア)を先頭にまとめ、ボリューム全体のパフォーマンスを改善する「メタデータ」
- ユーザが設定したファイル移動時の基準(クラスセット)に応じて最適化する「カスタム」
「ファイル」画面で対象のファイルを選択し、ファイル単位で最適化を行うことも可能だ。システムファイルを最適化するには、システムボリュームへのアクセスが必要。通常はブートディスクを使って再起動するが、「iDefrag 4」では、メニューに「ブートディスクを作成」が用意され、簡単にブートディスクを作成できるようになっている。さらに、ブートディスクを使用することなく、“フルコントロールモード”で再起動させることにより、システムファイルを最適化することも可能だ(フルコントロールモードでは、他のアプリケーションは実行できない)。
最適化作業はレベルを上げるほど時間がかかるが、オプションで最適化内容を細かく設定し、作業時間を節約することも可能。設定できる項目には、
- 書き込み内容を検証する
- ハードディスクの温度の監視する(S.M.A.R.T.に対応したハードディスクのみ)
- 最適化前に特定のスワップファイルなどを削除する
- 連続した空き領域を重視する
- メタデータ領域を最適化しない
- B-Treeファイルの最適化する
- ファイルの並び順とフラグメントを維持する
- 特殊ファイルの並べ替えを有効にする
などがある。