優れた検出能力で定評のあるウイルス対策ソフト「アバスト!(avast!)」の新バージョン。無料で利用(非商用利用)できる。「アバスト! 無料アンチウイルス」は、ウイルスやスパイウェアの脅威からパソコンを保護してくれるセキュリティ対策ソフト。Webページの閲覧やP2Pソフト、インスタントメッセンジャーなどを介して活動する不正プログラムを検出し、パソコンを守る。新バージョン「5」では、スキャンエンジンが改良されたほか、未知の脅威を検出するヒューリスティックエンジンの採用、サイレント/ゲームモードの追加、最新CPUへの最適化など、さまざまな機能追加・強化が図られた。インタフェースも一新された。
旧バージョンから一新されたインタフェース(メイン画面)は、
- パソコンの状態や不正プログラムの活動状況などが表示される「統計」
- 手動でのスキャンを実行したり、検査の記録を参照したりできる「コンピュータの検査」
- 保護機能の設定や動作の状況を確認するための「リアルタイムシールド」
- ファイルやプログラムの状況を確認し、最新の状態に更新する「メンテナンス」
の各画面(タブ)からなる。なかでも日常的なセキュリティ対策の要となるのが「リアルタイムシールド」。リアルタイムシールドには「ファイルシステムシールド」「メールシールド」「ウェブシールド」「P2Pシールド」「IMシールド」「ネットワークシールド」「挙動監視シールド」の各設定項目が用意されている。「ファイルシステムシールド」は、ファイルの読み書き時の検査・保護を行う機能。プログラム/スクリプトの実行時や文書ファイルを開く/書き込むとき、メディアの装着時などのタイミングで検査が行われる。検査対象から除外するファイル/拡張子を登録しておくことも可能だ。
「メールシールド」は、電子メールで送受信されるメッセージを検査する機能。機能のON/OFFに加え、ウイルスメールや怪しいメールの件名に挿入する文字列、検査対象とするアーカイブ(書庫)ファイルの形式などをユーザがカスタマイズできる。
「ウェブシールド」では、Webサイトからダウンロードされるファイルの検査や、除外するURL/拡張子の指定などを行える。“Intelligent Stream Scan”と呼ばれる技術により、ブラウズ中の速度低下が抑えられている。
「P2Pシールド」は、P2Pプログラムでダウンロードされるファイルを検査するもの。対象のP2Pプログラムや、検査するアーカイブ形式などを指定できる。
「IMシールド」は、インスタントメッセンジャー(IM)経由でダウンロードされるファイルを検査する機能。対象のIMプログラムや検査対象となるアーカイブ形式などを指定することが可能だ。
「ネットワークシールド」では、ネットワーク経由で感染しようとするウイルスの活動や、悪意のあるサイトへのアクセスをブロックできる。
「挙動監視シールド」では、怪しい挙動を検知した場合に警告を行ってくれる。
「リアルタイムシールド」のほかに、ユーザが任意で行える検査として「迅速な検査」「完全なシステム検査」「脱着可能なメディアの検査」「指定したフォルダの検査」、さらには「ブートタイム検査」がある。このうち「迅速な検査」「完全なシステム検査」は、スケジュールを設定して、スキャンを自動実行させることも可能だ。
そのほかにも、
- ルートキットに対するリアルタイムでの保護
- 疑わしい実行可能ファイルを隔離環境で実行するコードエミュレータ
- 安全が確認されたファイルをホワイトリストに登録することで、スキャンの効率を上げる「avast! Intelligent Scanner」
- メッセージや警告音などを抑制するサイレントモード、ゲームモード
- ウイルスが検知された場合、指定のユーザにメールやメッセージで通知する「ウイルス警報」
など、数多くの機能を備えている。