パソコン本体のメインメモリを利用して、Windowsの高速化と保護を図るためのソフト。「SSD革命/SpeedAdvance Ver.1 Hi-Grade」は、システムドライブへの書き込みを、メインメモリ上に作成された一時ファイルに行うことで、動作の高速化を図るシステムユーティリティ。SSD(Solid State Drive)やハードディスクに比べて高速なメインメモリを利用するため、動作を高速化できる仕組み(「SSD革命」という名称だが、ハードディスクでも利用できる)。「Hi-Grade」版では、32bit版Windowsが利用できない3.2GB以上のメモリ領域に一時ファイルを作成できるようになった。Windows 7にも対応する。
フラッシュメモリを用いた半導体ディスクであるSSDは、読み込みは高速だが、書き込みは遅い。システムドライブにSSDが使われたパソコンでは、これが原因となり、動作速度が遅くなる場合がある。「SSD革命/SpeedAdvance Ver.1 Hi-Grade」を使用すると、データの読み込みは通常通りシステムドライブから行い、書き込みはメモリ内に確保された専用領域に対して行うようになり(動作を低速化させるSSDへの書き込みは行わないようにして)、Windowsの動作が高速になる。
さらに、SSDには書き込み可能な回数に制限があるが、「SSD革命/SpeedAdvance Ver.1 Hi-Grade」によって書き込み回数が大幅に減少し、ディスクの長寿命化も図れる。
システムドライブがハードディスクの場合でも、メモリへの書き込みはディスクへの書き込みよりもはるかに速いため、動作の高速化を実現することが可能。いったんメモリに書き込まれたデータは一時ファイルとしてキャッシュされ、次回以降の読み込みはメモリ上の一時ファイルから高速に行われるようになる。
パソコンの高速化に加え、システム保護の面でも有効。「SSD革命/SpeedAdvance Ver.1 Hi-Grade」の動作中は、システムへの変更はシステムドライブには反映されず、メモリに書き込まれる。仮にシステムに対する危険な変更が行われた場合でも、パソコンを再起動すれば、危険な変更はシステムドライブに書き込まれることなく、元に戻る。ユーザの不注意によるパソコン環境の変更や破壊や、マルウェアによるシステムへの悪影響などからパソコンを保護できる。もちろん、メモリに書き込まれた内容をシステムドライブに反映させることも可能。メモリ中の情報をシステムドライブに書き込むタイミングは、「SSD革命/SpeedAdvance Ver.1 Hi-Grade」の終了時のほか、ユーザが任意の時点を指定できるようになっている。
使用するメモリ領域は「システムメモリーのみ」「OS管理外メモリーのみ」「システムメモリー+OS管理外メモリー」から、ユーザが自由に選択することが可能。通常版ではメインメモリしか使用できないため、アプリケーションの使用できるメモリ量が減少することもあったが、「Hi-Grade」版ではメインメモリを圧迫することなく、機能を実現できるようになった。そのほかにも、
- 一時ファイルのサイズ
- 残容量が設定値(リミット)に達したときの動作
- OS起動時/終了時の動作
- ページファイルの保護
などを設定できる。