文字列の貼り付けやキー入力の自動化などにも対応した、使い勝手のよいクリップボードユーティリティ。「sanvient」は、あらかじめユーザが登録しておいたテキスト(定型文)やファイルを、クリップボード経由で他のアプリケーションに貼り付けられるソフト。クリップボードに転送された文字列を、正規表現で処理してから貼り付けることも可能。キー入力を自動化したり、コマンドやスクリプトを実行したりすることもできる。文字列貼り付けとキー入力など、複数のアクションを組み合わせて実行することも可能だ。
起動するとタスクトレイに常駐。デスクトップには「ツリービューウィンドウ」「ボタンウィンドウ」が現れる。「ツリービューウィンドウ」には登録済みのアイテムがツリー形式で、また「ボタンウィンドウ」には現在のセット(フォルダに相当)に登録されたアイテムがボタンで表示される。両ウィンドウにはいくつかのアイテムが登録済み。そのまま利用したり、修正して利用したりすることが可能。例えば、ツリービューウィンドウに用意された「sample」には、「paste」「file」などのデータ(ファイルやコマンドに相当)が登録済みで、「paste」をダブルクリックすると、「test」という文字列がカーソル位置に貼り付けられるようになっている。
ユーザは、好きな名称でセットやデータを作成・登録することが可能。データにはアクションを選択・指定できる。選択できるアクションは「ペースト」「ファイル」「正規表現」「キーイベント」「スクリプト」「コマンド実行」「複合アクション」「アクションリンク」の8種類。例えば「ペースト」では、あらかじめ登録しておいたテキスト(定型文)をカーソル位置に貼り付けられる。「ファイル」では、記述したパスのファイルをコピーして貼り付けることが可能。複数のファイルパスを改行区切りで記述して、複数のファイルを貼り付けることも可能だ。
「正規表現」は文字通り、正規表現を使ったテキスト処理のこと。ユーザの選択した文字列がクリップボードにコピーされ、正規表現での処理後に貼り付けが行われる。例えば「選択文字列の各行の先頭に、特定の文字列を付加する」といったことも簡単だ。
「キーイベント」では、キー入力の自動化を実現できる。仮想キーコードと繰り返し回数、押下状態を表す値をカンマ区切りで記述するようになっており(押下状態を表す値は、1がダウン、2がアップ、3がダウンとアップ)、例えば【Ctrl】+【V】を登録するには「17,1,1,86,1,1,17,1,2,86,1,2」と記述する。
手続き型言語「Lua」と、オープンソースのプログラミング言語「Python」に対応し、両言語で記述された「スクリプト」を実行することもできる。作者のホームぺージで公開されている「パスワード入力」スクリプトをインポートすれば、ID/パスワードの入力を自動化することも可能。そのほかのアクションでは、
- コマンド実行:Windowsのコマンドを実行する
- 複合アクション:複数のアクションを組み合わせて実行する
- アクションリンク:既存のデータを実行する
といったことを行える。スキン機能にも対応する。5種類のスキンが用意され、好みに合わせて外観を変更することが可能。ウィンドウの透過率やフォントの指定など、細かなカスタマイズを行える。