ラジオやPodcastのタイトルコールなどに使われる「ジングル」を作成するためのソフト。「TitleCall」は、ラジオ番組のCMの前後や注意を引きつける際に流される、音楽とナレーションの組み合わせ音「ジングル」を作成することに特化したソフト。ウィザードを利用して、手軽に高品質なジングルを作成できるほか、手持ちのオーディオファイルを使って、オリジナルのジングルを作成することも可能。エフェクトなども多数、用意されている。作成したジングルは、WAVファイルに出力したり、別のジングルを作成する際のテンプレートとして利用したりできる。
ジングルの作成方法は、
- 指示にしたがって操作するだけで簡単に作成できる「ウィザードで新規作成」
- あらかじめ用意されたテンプレートをベースに、好みのサウンドを追加してゆく「テンプレートから新規作成」
- ナレーションも含めたすべての音声をユーザが手動で指定する「新規作成」
の3種類。「ウィザードで新規作成」する場合は、(1)テンプレートを選択して、(2)音声ナレーションを準備・作成し、(3)必要に応じて生成されたジングルを編集する、という3ステップで作業が完了する。テンプレートは、FMラジオ風、ロックンロール調、カントリー&ウエスタン調など、ジングルのイメージを決定づけるひな型データのこと。使われている楽器や内容の説明などを確認したり、実際に視聴したりした上で選択できる。選択したテンプレートにより、テンポや音楽の切り替わり回数、ナレーションの挿入位置なども異なる。
ジングルには、番組名のコール音声(タイトルコール)が付きものだが、「TitleCall」では、既存のWAVファイルやその場での録音をコール音声として使えるほか、音声合成で自動生成された音声を使うこともできる。音声の合成にはWindows標準の音声合成API「SAPI(Speech API)」が利用され、入力したテキストから機械的な音声が生成される。
「TitleCall」本体には音声合成エンジンは搭載されていないが、Windows XPには標準で「Microsoft Sam」と呼ばれる英語音声合成エンジン(男声)が搭載されており、音声合成ソフトがインストールされていなくても、合成音声を利用することが可能。Windows Vistaでは「Microsoft Anna」(女声)を利用できる。もちろん、SAPI対応の音声合成エンジンであれば、そのエンジンを利用することも可能だ。
ジングルの編集は、MASTER+6トラック(Track1〜Track6)を編集できるマルチトラック画面で行う。画面のイメージは、音楽編集ソフトというよりはむしろ、動画編集ソフトのタイムライン編集画面に近く、
- ジングル全体のボリューム制御や音声ナレーションのエフェクトは「MASTER」
- 音声ナレーションの録音やミックスは「Track1」
- 音楽や効果音の編集とミックスは「Track2」から「Track6」
で行う。トラックの長さや位置は、マウスドラッグで自由に変更することが可能。画面下部のミキサーでボリューム調整なども簡単に行える。トラックごとにエフェクトをかけることも可能だ。作成したジングルは、WAVファイルとして保存できるほか、タイトルやキーワード、ジャンルなどの情報を持つ素材データベースに直接出力することもできる。作成したジングルをテンプレートにして、さらに新たなジングルを作成することも可能だ。