ソフトを開発しようと思った動機、背景
もともとは、人工知能やシミュレーションをメインにやってきていたのですが、あるとき、運よく電子白板のプロジェクトに参加させていただき、そのときに原型ができました。その後、改善を繰り返し、今日の「白板ソフト」に至っています。その結果、私にとってはかけがえのない道具になりました。東京農工大学、小中高校の先生方、白板を使った実践授業に協力していただいた子どもたち、コンピュータ教育開発センターの方々の並々ならない指導や支援等に深く感謝しております。開発中に苦労した点
「子どもも簡単に使えるような操作と多くの機能をどのように両立させるか」が苦労した点です。この問題の解決策として、階層化した部品(オブジェクト)の導入と改善を進めました。
手書きで絵を描き、それをはさみで囲んで部品にしたり、ファイルからドラッグした部品や関係式を含んだ部品での計算を追加したりすることで、複雑な構造や動きの記述もできます。さらに、2007年のチューリング賞の講演で「言語がアビリティを配達してくれる」を聞き、「そうか、ツールも人の能力を拡張してくれるように作るべきなんだ!」と感動し、人の自由な発想をできるだけ妨げないように、さらなる改善を行いました。例えば、一時は右側だけのペン表示を標準にしていたのですが、左右にペンがあった方が、ストレスが少なくなるため、左右表示を標準にしています。ペンは【F3】キーで隠すこともできます。
ユーザにお勧めする使い方
新しい使い方として、動かしながら考えるシミュレーションができます。例えば、思いついたキーワードの文字を移動したり、手書きの線でつないだり、囲んだりすることが可能です。テーブルを背景として、料理の画像をいくつか移動させて配置をシミュレーションして考えたり、地図を背景にして、建物部品を動かして考えたりしながら、ひらめいたことを手書きでメモできます。
メールで送った相手がさらに違う配置に変更し、手書きメモを付けて送り返すような使い方や、プロジェクタに表示してプレゼンしながら部品を移動したり、ペンで書き込んだりすることなども可能です。さらに、新しい使い方をみんなで発見してゆければ、うれしいと思っています。
今後のバージョンアップ予定
白板を改善すると同時に、白板用の部品も出してゆきたいと思っています。いまの世の中には、いろいろな問題がありますが、新しいソフトやコンピュータができることで、もしかしたら世界が変わるかもしれないと思っています。投げ出したくなるときもありますが、あきらめずに頑張っていますので、これからの未来に少しだけでも期待してください。
((株)マイクロブレイン)