アートディンク社の発売する「ルナティックドーン」シリーズ中、最高傑作との呼び声も高い冒険ファンタジーRPG。旅の目的も冒険者としての生き方もすべてプレイヤー次第。「ルナティックドーン 前途への道標」は、固定の道順や目的がなく、自由な冒険を楽しめる「ルナティックドーン」シリーズの4作目にあたる作品。「秩序」対「混沌」、「善」対「悪」、「武器」対「魔法」といった対立する勢力が存在し、それぞれのバランスを指定することで好みの世界を創造することができる。
冒険の舞台となる世界には、西洋風の「レンシア」、中東風の「イルタール」、中国風の「竜江」、そして日本風の「日紫」の四つの国がある。「レンシア」が秩序、「イルタール」が混沌、「竜江」が善、「日紫」が悪を司る。混沌よりも秩序を強く設定した場合、「イルタール」より「レンシア」の勢力が強い世界が創られる。プレイヤーは、これらの国を股にかけながらダンジョンを攻略したり、ミッションを遂行したりすることになる。ゲームを進めてゆく過程で、勢力図はどんどん変化し、ストーリー展開にも大きく関わってくる。
各国の街にある施設で重要なのが「宿屋」だ。宿屋では、宿泊してキャラクタのHP/MPを回復させられるのはもちろん、他の冒険者をパーティのメンバーに誘ったり、依頼を引き受けたりすることもできる。パーティの最大メンバー数は、プレイヤーキャラクタを含めて6名まで。選ぶ際には、キャラクタの説明や街の噂などの人物情報を確認することが可能だ。ただし、誘った冒険者がすべて仲間に加わるとは限らない。宿屋にいる全員に断られて、仕方なくひとりでダンジョンに特攻しなければならなくなる可能性も十分にある。
宿屋が斡旋してくれる依頼は、宅配、買い物などの手軽なものから、救出、退治、探索といった冒険心をくすぐるもの、はては密輸、逃亡といった怪しげなものまで多種多様。依頼を達成し、定められた期限までに(仕事を引き受けた)宿屋へ戻ると、成功報酬を受け取れる仕組み。ただし、報酬はパーティの人数で等分されるため、人数が多ければ多いほど金額は少なくなる。依頼は同時にいくつも引き受けることが可能で、効率よくいろいろな場所を回れば、短期間で所持金を増やせる。ゲーム開始直後は、手ごろな依頼を引き受けながら、近隣の町を回ってみるのもよい。
ダンジョンやフィールドにはさまざまな魔物が潜んでおり、遭遇すると戦闘に突入する。戦闘に必要な装備は、街の武器屋や道具屋で揃えることができる。寺院で、魔法アイテム(道具として使用する魔法)と特殊アイテム(装備すると各種能力がアップ)を購入することも可能だ。プレイヤーキャラクタが所有しているアイテムの魔力を強化したり、死んだ仲間を生き返らせたりすることもできる。
武器や道具の購入時には「盗む」コマンドを使うこともできる。ほしい商品を選択して盗むことができるが、店の主人に見つかって失敗することもある。その場合は、兵士たちとの戦闘に突入する。街などで出会った冒険者の所持品も、商品と同じく盗むことができる。
名もなき平凡な冒険者として一生を終えるか、依頼や戦闘をたくさんこなして英雄の名声を得るか、盗みを繰り返して大泥棒となるか、世紀の悪党なって世界を滅亡させるか、すべてはプレイヤー次第。正義の味方になるもよし、大悪党としての人生をまっとうするもよし、どのような結末が待っているのかはゲームをプレイするまでわからない。