ギャグ満載、ストーリー重視のRPG。齢80歳の老人ながら、軽々とモンスターをぶちのめすスーパーばあちゃんとじいちゃんが大活躍する。「じじばばーん」は、とても元気な二人の老人が大活躍する異色のギャグRPG。登場人物たちの生き生きとした描写と、テンポよく展開されるストーリーにより、プレイヤーをグイグイと作品の中に引き込む。
主人公は、とある王国の山奥にある田舎町「イレーバ」で隠居生活を送る「山本じじお」と「山本ばばえ」という、ともに年齢80歳の老夫婦。ただしこの二人、普通の老人ではない。二人揃ってメチャクチャ元気で、メチャクチャ強く、普通の人間では絶対に敵わないはずの魔物なども、あっさりとぶちのめしてしまう実力の持ち主だ。
二人の健康の秘訣は毎朝の夫婦げんか。短気で凶暴、その上ケチで浪費家の「ばばえ」を、一見おとなしく常識人そうだが、その実、意外に口の悪い「じじお」が挑発しては、ばあさんのお仕置きを喰らうという毎日。そのお陰で、ばあさんは無敵の攻撃力、じいさんは超タフな肉体を持っている。
平穏な老後の生活を送っていた二人だが、ある日、ばあさんの浪費のせいで生活費が底をついていることが判明する。困り果てた挙句、「これというのも年金の支給額が少ないせいだ!」と逆ギレしたばあさんは、国王に直接抗議することを決意する。かくして二人のスーパー老人の戦いの日々の幕が開く……。
操作法などは「RPGツクール2000」のシステムほぼそのまま。カーソルキーで主人公キャラを移動させ、「決定キー」(【Enter】/スペース/【Z】)で、セリフを送ったり、行動を確定したり、目にあるものの調査を行ったりする。「取り消しキー」(【Esc】/【X】/【C】など)では、キャンセルやメニューの表示を行う。
目的地にたどり着くまでの道中やダンジョンの中で、イベントシーンなどで登場したモンスターや敵キャラなどと戦って経験値を稼ぎ、レベルアップするなど、ゲーム中の行動などもセオリー通り。倒した敵から獲得したお金をため、町の武器屋や防具屋、道具屋などでアイテムを購入して装備を調えてゆく。
ただし「じじばばーん」では、経験値やお金を稼ぐための戦いはあまり重要ではない。普通にストーリーを消化してゲームを進めるために必要な戦いを行うだけで、必要な経験値と資金が自然にたまる。また、ゲームの要所要所には「回復ゾーン」と呼ばれる魔法陣が用意され、この上に乗るだけでHP/MPはもちろん、それ以外のパラメータも含めて全回復してくれるため、店で回復アイテムの類を買い揃えておく必要はほとんどない。
国王に直訴した二人は、すったもんだした挙句、王様から実力を認められて正式な王国兵となり、砂漠や大草原、寒冷地など王国内のありとあらゆる場所を訪れ、任務を果たすようになる。このときの移動も、1回目は出現するモンスターなどと戦いながら丸々歩き回らなくてはならないが、任務を果たしたあとには移動用の魔法陣が出現し、帰りの道のりをスキップできる親切設計だ。同じ場所を再び訪れなくてはいけないときも、道中をスキップするかもう一度辿るかをプレイヤーが選択できる。
どうしてもお金が必要な場合は、大きな街にある「闘技場」で戦って稼ぐこともできる。挑戦料200ゴールドを支払って戦い、勝てば賞金を獲得できるミニゲームで、同じキャラで勝ち続けるごとに対戦相手のランクが上がって、賞金の額も跳ね上がる。Sランクの相手に勝ってしまうとそのキャラでの挑戦はできなくなるが、後半の賞金額はなかなかのものだ。
ストーリーは一本道。イベントも多く、テンポよくサクサク進む。ストーリーが進むにつれ、じじおとばばえだけでなく、二人の孫の「アキラ」「ミク」「サトシ」なども登場し、話はどんどん盛り上がる。かなりボリュームのある中長編RPGだ。