blogやフォト共有サービスの普及によって、誰でも手軽に写真を公開できるようになってきたが、もちろん撮ったままの画像ではピクセル数もファイル容量も大きすぎるので、手ごろなサイズに縮小しなければならない。「gavinci」は、そんな手間を減らして誰でも簡単に写真を加工できるようにしてくれる。なかでも、トリミングとリサイズをまとめてやってくれる「オートトリム」はとても便利。ふだんは特にレタッチなどしないという人でもリサイズだけは欠かせないだろうから、これはうれしい。
一方でレタッチ機能を重視する人にとっても注目だ。一般のレタッチソフトが概して面倒なのは、「コマンドそのものの使い方がわかりにくい」「どのコマンドをどう組み合わせていけば望み通りの結果が得られるかイメージしにくい(経験が必要)」といった要因が絡み合っているからだ。
ところが「gavinci」では、そうしたプロセスを一気にひっくり返して、テーマを選ぶだけで必要なフィルタ処理をまとめて選んでくれる。しかも、テーマそのものがひとつのエフェクトというわけではなく、複数のフィルタが集まったいわばバッチコマンドなので、パラメータ設定を細かく追い込んでいけば好みの仕上がりを追求することもできるのだ。
このように、blogやWebギャラリーにどんどん投稿したい人に便利な「gavinci」だが、筆者としてはできればあと二つほどほしい機能がある。ひとつは、トリミング時に画像の縦横比を簡単にセットできるようにする機能。ドラッグで簡単に変更はできるのだが、3:2、4:3、4:5、1:1といった写真で一般的な比率が簡単に選べるとありがたい。
もうひとつは、リサイズ後のファイルサイズのプレビュー表示機能だ。blogや画像掲示板では投稿できるサイズを制限しているところも多いと思うので、保存前にサイズをチェックしてピクセルサイズやJPEGの圧縮率を調整できれば、さらに使いやすくなるだろう。
(福住 護)