女好きでだらしないが、剣の腕は立つ「アース」が、街の人々からの依頼を解決してゆくファンタジーRPG。「黒魔剣士アース英雄譚」はその名の通り、黒魔剣士の青年「アース」が主人公のファンタジーRPG。軍事都市・コスミリアに住むアースは、幼なじみの「ルナ」や、ある事件がもとで一緒に住むことになった少女「ヴィーナ」とともに「ハンター」の仕事をしている。ハンターは、ギルドを通して街の人々から仕事を依頼され、仕事の内容に合わせて報酬を得る職業。依頼の内容は、魔物の討伐から迷子のペット探しまでと幅広い。
「美しいグラフィック」「迫力のあるサウンド」「軽快な戦闘システム」など、ゲームとしての魅力的な要素は数多いが、一番の魅力は何といってもストーリーの楽しさだ。主人公のアースは凄腕の剣士だが、性格は自分勝手でナルシスト。しかも極度の女好き。美女からの依頼は喜んで受けるが、男性からの依頼は適当にあしらう。
一方、相棒のルナは、アースの蛮行を食い止める常識人。ただし、食い止める方法は「アースを壁にめりこむまで蹴り飛ばす」など、少々暴走気味。アース、ルナの二人を中心に、個性的なキャラたちが繰り広げる漫才のような会話や、コメディタッチのイベントシーンは見ているだけでも楽しい。
ゲームの内容はシンプル。プレイヤーは主人公を操作してコスミリアのギルドに行き、マスターが提示する依頼リストから気に入った仕事を選ぶ。あとは、依頼に合わせて敵と戦ったり、探索や護衛などを行ったりすることになる。依頼内容によって報酬も異なり、高い報酬のものほど難易度が高い。最初はコスミリアの街の中しか移動できないが、請け負う依頼が増えるにつれ、森や盗賊のアジトなど移動できるフィールドが広がる。
お金を稼ぐ方法はギルド以外にもある。酒場の貿易商が指定する「交易品」を持ってゆくと、売り渡すことができる。交易品は、モンスターを倒した際に手に入るアイテムのこと。一般的なモンスターは大きく分けて「スライム系」「狼系」「こうもり系」「植物系」の4種類。モンスターの種類によって手に入る交易品も異なる。また、ダンジョンによっても出現しやすいモンスターが変わる。貿易商に「スライムゼリーがほしい」と言われた場合は、スライム系のモンスターが出やすいダンジョンへ行くことになる。
手配モンスターを退治することでも、お金を手に入れられる。仲介人が依頼する「手配モンスター」を見つけて倒せばよい。交易品と異なり、指定された敵をただ倒すだけの単純なイベントだ。
戦闘システムはオーソドックスなターン制を採用。戦闘時は武器を使った通常攻撃のほか、必殺技や魔法などのSPを消費することで発動する「スキル」も利用できる。スキルを得るためには、スキルをスキルスロットにセットすることが必要。各キャラにはそれぞれ5個のスロットが用意されている。
スキルには「能力上昇系」「特殊能力系」の2種類がある。能力上昇系スキルは「体力を増やす」「攻撃力を上げる」というように、セットすることで能力をアップできる。一方、特殊能力系は剣による必殺技や回復魔法など、戦闘中に「スキル」コマンドで発動できる技の数々を使えるようになる。ただし特殊能力系は、キャラによって装備できるスキルが決まっている。
スキルにはAP(Ability Point)と呼ばれるポイントが設定され、キャラごとにセットできるAPの最大値が決められている。強力なスキルほど必要APが高い。強いスキルばかりをセットした場合、スロットが余っていてもAPが足りずにスキルを追加できなくなることもある。戦う相手やダンジョンの性質などに合わせてスキルの組み合わせを変更することが、戦闘を有利に進めるためのポイントとなる。