青春ドラマあり、恋愛ありの学園コメディアドベンチャーゲーム。キレのあるギャグは一見の価値がある。「シルフェイド見聞録」は、連載型のコメディアドベンチャーゲーム。主人公のエシュター・クレイトンは、医者を目指す一見、普通の青年。しかし、なぜか普通の人よりもトラブルに巻き込まれやすい上、あまりにも個性的な仲間たちに恵まれ(?)ている。ストーリーは、医学部のある「ノーマ学院」の入試をエシュターが受験するところからはじまる。しかし、持ち前のトラブル体質と、個性的過ぎる周りの人間によって、次々とトラブルが勃発する。
ゲームは、一般的なコマンド式のアドベンチャー。メイン画面の「移動」で学院内や街中を移動し、「見る」「話す・聞く」「調べる」などのコマンドを使ってストーリーを進めてゆく。拾ったりもらったりしたアイテムを使うことも可能。アイテムを使うことで、通常のストーリーでは見られない隠しイベントを見ることができる。
特徴はなんといっても、息もつかせぬ勢いで繰り出されるギャグの数々。エシュターは医者を目指し、「正義感があり、頭もよく、真面目で見た目も悪くない」。少女漫画に出てくる“モテモテ好青年”の要素をすべて満たしている。しかし、持ち前のトラブル体質と、変わった友人や先生などの脇役キャラクタに振り回され、ゲーム中ではほとんどギャグ顔だ。
エシュターの周りにいる人たちは、エシュターに異常な執着を見せる友人のアルバートや、口から「いろいろなもの」を出す少女、気に入らない生徒をゴミ箱に入れる先生など、さまざま。その上、普通の人には見えない「テストの妖精」など人間以外の生き物まで登場して、エシュターの生活を混乱に陥れる。
エシュターが医者を目指すきっかけとなったのは、病気の妹を救えなかったこと。友人のアルバートとともに、激しい戦争を生き延びてきたという過去も持っている。さらに、病気や人種差別、貧困など、主要キャラクタたちには重い背景が用意されている。連発されるギャグの間に、こうしたシリアスな話がチラリと現れ、ストーリーに緩急がつけられる。
ストーリーは、「シークエンス」と呼ばれる単位で区切られている。ゲーム途中のシークエンスからはさまざまシステムが追加され、プレイヤーを飽きさせない。例えばシークエンス3では、アイテムとして「好感度チェッカー」が導入され、特定の人物の「好感度」を上げられるようになる。
シークエンス4では、戦闘システムが導入される。「Will」という特徴的なシステムを持ち、攻撃や防御の際に「どれくらいの力(Will)を配分するか」を設定できるようになる。攻撃時はWillが多いほど命中率が高く、攻撃力も大きくなる。防御時には「Guard(防御)」「Parry(回避)」の2種類のタイプを選択できる。Guard時はWillが多いほどダメージが少なくなり、Parry時はWillが多いほど回避率が高くなる。ただし、使用できるWillには限りがある。Willは自分の攻撃ターンで回復するものの、回復値は決まっている。使い方には注意が必要だ。
さらに、ゲーム後半では「トーテム」と呼ばれるお助けキャラクタも登場。トーテムを味方につけることで、スキルを増やしたり、戦闘を有利に進めたりできるようになる。
「シルフェイド見聞録」は連載型で、現在はシークエンス6までが公開されている。