「進む」「戻る」でダンジョンを攻略してゆく探索型RPG。シンプルで簡単に操作できる。「勇者クエスト」はその名の通り、勇者を主人公にしたダンジョン探索型RPG。主人公のアレスは、はるか昔に魔王を倒したという伝説の勇者の末裔。しかし、魔王が復活。アレスと同じく勇者の末裔である姉アネスは、魔王を倒すために一人で家を飛び出してしまう。姉を見つけて一緒に魔王を倒すため、アレスは友人の僧侶・ケーセルとともに、魔王討伐隊が結成されているという「希望の都」に赴く。
ゲームシステムは、戦闘をメインにしたシンプルなもの。ゲームの中心となるダンジョンは、一般的なRPGのようにシンボルキャラクタを移動させるものではなく、カーソルキーの【↑】で一歩ダンジョンの奥へ移動し、【↓】で一歩希望の都へ戻るというもの。ダンジョンの移動中は、一定の確率で敵や罠、さまざまなキャラクタに出会う。
ダンジョンはすべて100歩分の長さがあり、自分の位置は画面左上に表示される「探索度」で確認できる。希望の都を出た時点で探索度は0%だが、一歩ダンジョンの奥に進むと、1%ずつ探索度が上がる。ダンジョンの最奥部となる100%地点にたどり着くと、そのダンジョンのボスキャラクタとの戦闘になる。
ゲームの拠点は「希望の都」。希望の都では「城」「宿屋」「商店街」の3種類のメニューを使える。城では「話を聞く」ことと「報奨をもらう」ことが可能。プレイヤーは、まず城で「話を聞く」ことで制覇すべきダンジョンの情報を手に入れ、「街を出る」で実際にダンジョンに向かう。最初は名もない冒険者であるため、城の衛兵から指示を受けることになるが、次々とイベントをクリアしてゆくことで、王様から直々に指令を受けられるようになる。また、特定のダンジョンやイベントを攻略することで、城から「報奨金」が出ることもある。
商店街では、武器や防具、体力回復などの道具などを購入できる。商店には通常よりも強力な武器や防具を販売している「王立武具店」もある。ただし、ここで買い物をするには、一定以上の名声が必要。そのほか、ダンジョンなどで手に入れたアイテムを売れる「買い取り屋」や、銀行のようにお金を預けられる「預かり所」もある。ゲーム内では、メンバー全員が戦闘で倒れると所持金が半分になった状態で希望の都に還されてしまうが、預かり所に預金したお金は減らない。
宿屋では一定のお金と引き換えに「宿泊」して、体力やMPを全回復できる。ダンジョンでスカウトした仲間の「パーティ編成」も宿屋で行える。また、魔王の状態や戦況、主人公の噂などを聞くことができる「情報を聞く」も用意されている。
ダンジョンでは一定の確率で敵に遭遇するだけでなく、その後仲間としてパーティに組み入れられる味方と出会うことがある。味方になるキャラクタは主人公を含めて16人。無条件で仲間になる者から、特定の金額を払うことで仲間として雇い入れることができる者までいる。ただし、ダンジョン探索に連れて行くことができるのは、主人公を入れて最大4名まで。仲間を見つけた際、すでに4人パーティだった場合、新しい仲間は希望の都の宿屋で待っていてくれる。
ダンジョン内の楽しみとして、宝箱をはじめとする謎のアイテムやキャラクタも外せない。(敵や味方と同じく)一定の確率で出合えるイベントのことで、宝箱に遭遇した場合は「調査」することでアイテムなどを手に入れられる。ただし、宝箱の中には、毒などの罠が仕掛けられていることもある。そのほかゲームには、提示された金額のお金を渡すと、渡したお金以上の価値のアイテムをくれるキャラクタや、街では売っていないアイテムを販売してくれるキャラクタ、出会うと問答無用で所持金の一部を奪うスナッチャーなども登場する。
主人公の仲間となるキャラクタは、気弱な魔法使いや自信満々な吟遊詩人、アレクの過去に関係ある様子の天使など、個性的。もちろん、魔法使いならば魔法での攻撃が得意だったり、戦士は武器による通常攻撃が強かったりなど、戦い方にも特徴がある。このため仲間が増えてくると、物理攻撃に強いキャラクタや、後方支援に強いキャラクタなどをバランスよくパーティに配置するのがポイントとなる。
仲間は、戦闘以外にも使える得意技を持っている。例えば、盗賊を仲間に入れると、鍵のかかった宝箱を開くことができたり、天使を仲間に入れると「呪い」の罠を跳ね返すことができたりする。敵と戦って勝利すると、パーティ内のキャラクタに経験値が振り分けられてレベルアップするが、宿屋にいるメンバーも主人公のレベルアップに合わせて自動的にレベルが上がるシステムになっている。あまりパーティを組まないメンバーのために経験値稼ぎをする必要はない。