天使でありながら、感情的になると悪魔に変身してしまう少女が「天使でいるための方法」を探すという設定のファンタジーRPG。スピード感あふれる戦闘システムと美麗なグラフィックが特徴。「片翼の天使」の舞台は、天使や悪魔が存在する世界。天使は天界、悪魔は魔界、人間は地上と、それぞれ分かれて暮らしているが、天使と悪魔の関係は非常に良好で、互いの世界へ遊びに行くことも許されている。唯一ともいえる禁忌が「天使と悪魔の交際・結婚」。しかし、両親が天使でありながら、稀に悪魔の血が混じった子どもが生まれることがある。
主人公の「つばめ」もその一人。「怒り」などの強い感情で一時的に悪魔に変身してしまう特殊な体質を持っていたが、天使や悪魔の友達と平和に暮らしていた。ところがある日、天使の長である「大天使セキレイ」が、彼女に衝撃的な宣告をする。それは「特殊体質を放置しておくと、完全な悪魔になってしまう」というものだった。天使であり続けることを望んだつばめは、特殊体質を治せるという「輝石」を探すため、友人とともに人間界へと旅立つ。
ストーリーは、数奇な運命を抱えながらも素直な少女つばめと、彼女の仲間たちが繰り広げる“青春活劇”ともいえるもの。つばめの大親友で、常に彼女を慈しむ姉のような存在の天使「すずめ」、つばめに意地悪をしながらも、輝石探しに同行する幼馴染みの悪魔「イスカ」、つばめとは逆に、感情的になると天使に変身する混血の悪魔「セッカ」など、旅のメンバーは個性的な者ばかり。ゲームには多数のイベントが用意されており、重要なイベントでは美麗な一枚絵が雰囲気をより一層盛り上げてくれる。
戦闘システムは「アタックゲージ」がたまったキャラクタから行動を起こすリアルタイムバトル。画面には表示されないが、敵にもタイムゲージが存在する。ポイントは、メニューが表示されている間も時間が経過すること。どんな行動を取るか悩んでいると、敵から容赦なく攻撃されてしまう。行動内容は、攻撃や魔法、防御、アイテム使用などが用意されている。
味方キャラクタは、それぞれ得意な魔法を持っている。つばめは「毒」や「沈黙」といった補助攻撃、すずめは回復系、イスカは雷や闇属性の攻撃、セッカは炎や水属性の攻撃を発動できる。敵にはそれぞれ苦手な属性があり、ボス戦などでは相手に有効な属性での攻撃が重要になる。戦闘中の熟考を許さないシステムのため、緊張感をともなったスピード感を味わえる。また、味方が連続して攻撃すると「コンボ」が発生するので、味方同士の行動タイミングを合わせるために「わざと行動をストップする」といった戦略も重要になる。
ダンジョン内には、敵との戦闘だけでなく、さまざまな仕掛けが用意されている。暗号など使った思考型のパズルのほか、「迫りくる岩から逃げる」といったアクションゲームのようなミニゲームが用意されている。