“コンピュータの中で本格的な水彩画を楽しむ”ことをコンセプトにした、ユニークな“着色支援ソフト”。ぼかしやにじみなど、水彩画ならではのテクニックを活かした作画が楽しめる。「落とし水 Excellent」は、水彩画の持つ独特なタッチを再現できる「落とし水」シリーズの新バージョン。ブラシツールやスポンジツールなどを使い、キャンバスにフリーハンドで絵を描ける。描画結果は、独自のWPT形式で保存できるほか、BMP形式で出力することも可能。既存のBMP画像を下絵として読み込むことも可能で、他のソフトで描いた絵の仕上げや、輪郭だけを描いた線画への着色にも利用できる。
用意された描画ツールは「水彩筆」「ボカシ筆」「エアブラシ」「スポンジ」。これに「筆の太さ」「水の量」「筆圧速度」の各パラメータと4種類のインクとを組み合わせて、水彩画のタッチをリアルに再現してゆく。「水彩筆」は一般的な絵の具筆なのに対し、「ボカシ筆」は水だけをつけて絵の具をぼかす。「スポンジ」は絵の具を付けて、こすり付けるのに使用する。
さらに、描画モードとして「塗りモード」「パターン生成方法」を選択できるようになっている。「塗りモード」では、筆をキャンバスに直接つけて描く「筆塗りモード」か、筆をつけずに絵の具を垂らしたように描く「落とし水モード」かを選べる。「パターン生成方法」は、筆塗りモード時に有効なオプションで、ブラシの形状を変化させるかどうかを指定できるもの。「入筆時」「基点毎」「フレーム毎」から選択できる。
「入筆時」では、筆をキャンバスにつけたときの形状のまま描かれるため、平筆で幅広くベタ塗りしたような感じになる。「基点毎」「フレーム毎」を選ぶと、ストロークの途中でブラシ形状がランダムに変化する。「基点毎」と「フレーム毎」の違いは、アニメーションに例えると「キーフレームごとに変化するか」「各フレームで変化するか」といったもので、「フレーム毎」の方がよりランダムなタッチとなる。
絵の具は、「不透明」「透明」のほか、デジタルペインティングならではのものとして「消しインク」「マスキングインク」が用意されている。「消しインク」は、一般的なペイントソフトの「消しゴム」に相当するもので、消しインクでペイントすると、その部分が消去される。もちろん、水彩筆による消去やエアブラシによる消去など、ブラシの特徴を活かした消し方が可能だ。
「マスキングインク」は、マスク領域を描くためのインク。こちらも「水彩筆によるマスク」や「エアブラシによるマスク」を描くことができる。なお、【Shift】キーを押しながらドラッグした場合はブラシのタイプに関わらず、マスキングテープを貼ったような、輪郭がシャープで直線的なマスク領域となる。描いたマスク領域は他のインクに切り替えると表示されなくなると同時に、以降の描画(上書き)ができなくなるため、完成部分を保護できる。また、ペイント時にさらにマウスの右ボタンを押すことで(左右両方のボタンを押したままドラッグする)、マスクを無視してペイントすることもできる。既存のBMP画像をマスクとして読み込むことも可能だ。
そのほか、カラーパレットの選択やマスク領域のクリア、反転などの機能もある。カラーパレットには、フルカラーのほかにグレースケールやセピア、人肌、パステルなどが登録されており、描きたいものに応じて使い分けられる。