「アドベンチャーパート」「RPGパート」の二つのモードを楽しめる「大江戸時代劇」風味のRPG。信頼度によって変化するマルチエンディングなどが特徴。「白狼隊士記」は、妖怪や化け物がはびこる江戸の街を舞台にした、時代劇風のファンタジーRPG。主人公の「美景」は、とある理由から名家の実家を飛び出し、江戸に流れ着いた16歳の少年。職も住む場所もない美景は、街を守る政府公認の治安維持部隊「白狼隊」が新入隊士を募集していることを知り、入隊を希望する。無事に入隊した美景は最近、街を騒がせているという不気味な低級妖怪「魑魅(すだま)」の存在を知らされる。
大きな魅力になっているのが、なんといっても個性派ぞろいのキャラクタ。白狼隊士だけでも、主人公のほか、冷静沈着な武士である隊長、好戦的な先輩、金髪碧眼の毒舌な同僚、ライバル心むき出しのやんちゃな隊員見習いなど、立場や年齢、性格までさまざまな者が多数登場する。さらに、美景に恋する蕎麦屋の娘、熱血隊長やオカマキャラを筆頭としたライバル隊士、忍者をはじめとする隠密部隊など、周囲の面々も特徴的な人物ばかりだ。
ゲームの目的は、殺人事件の捜査や人捜し、住民の保護、妖怪退治といった、街で発生するさまざまな事件を処理することと、「なぜ、突如として妖怪が頻繁に出現するようになったのか」という“事件の裏”を突き止めること。ストーリーは事件ごとの章立てになっており、事件が起きたり情報を集めたりする「アドベンチャーパート」と、マップ上を移動して敵と戦う「RPGパート」を切り替えながら進めてゆく。アドベンチャーパートでは街の地図上に「大通り」「広場」「長屋」などの行き先が表示され、移動先でイベントが発生したり、事件の捜査を行ったりできる。
メインキャラに個別の「信頼度」が用意されている点も特徴のひとつ。信頼度は、さまざまなイベントや質疑応答などによってキャラクタごとに上下する。イベントには「街での調査内容を間違えずに仲間に伝える」といったものもあるので、調査時にはじっくりと相手の話を聞いて、忘れないようにしたい。
前半では事件を解決するごとに、気になるキャラクタを選択して会話を行える。ここで選択する相手によっても信頼度が変化する。さらに、特定のキャラクタとの信頼度が高くなると、エンディングのストーリーにそのキャラクタが関わってくる。エンディングは全部で12種類が用意されている。
主人公の主な仕事は妖怪退治のため、当然、戦闘も発生する。戦闘には、イベントから自動的に発生するものと、RPGパートでフィールドを探索し、ランダムに現れる敵と戦う2種類がある。戦闘することで、経験値を入手してレベルアップできる。攻撃力などのステータスが上がるほか、場合によっては「剣技/特技」を覚えることもある。
回復アイテムなどを売る「薬屋」はあるが、武器や防具などを購入できる店がないため、主人公たちの装備を変更することはできない。その代わり、街には「鍛冶屋」が存在し、あらかじめ所持している剣の「剣レベル」を鍛えて攻撃力を上げることができる。剣を鍛えるにはレベルに応じた費用が必要で、特定レベルまでは倍々に増えていく。自由移動が可能なときに街の外を選択すると敵と戦えるフィールドに移動できるので、お金が足りない場合やレベルアップをしたい場合には、積極的に外に出るとよい。