「Teens」は、遊撃部隊「セイントナイツ」に所属する若者を中心に繰り広げられる、冒険ファンタジーRPG。「第一大陸」の各地に拠点を持ち、街の治安や平和を守る役割を果たしているセイントナイツは、大陸のほとんどの住民から信頼されるエリート集団。主人公「シャル」と、シャルの友人「フェイト」は、異例の若さでセイントナイツに入隊した前途有望な青年。入隊初日に「隣の村から書類を預かる」という簡単な任務を受けるが、現地では村長が黒服の集団に脅されている場面に遭遇する。黒服の集団を阻止しようとしたシャルたちは、重大な悲劇に見舞われてしまう……。

物語の核ともいえるのが、さまざまな色に光る不思議な宝石「ルージュ」の存在。通常はただの光る石だが、職人の手で精錬されることで「精錬済ルージュ」というアイテムに生まれ変わる。精錬済ルージュを任意のキャラクタに使用することで、電撃や炎による攻撃、回復などの魔法を修得できるようになる。精錬は、各地にあるルージュ工房で行える。

ルージュは6色あり、色によって修得できる魔法が異なるのも特徴。ただし、ゲーム内で見つけられるアイテム用のルージュは全部で18個。一度使用すると消えてしまうので、仲間全員にすべての魔法を覚えさせることはできない。よく考えて、誰にどの魔法を覚えさせるかを決めよう。

ストーリーはよく練られ、キャラクタたちは生き生きと描かれる。ストーリーの基本は、主人公がセイントナイツとして、上司から指示される数々の事件を解決するというもの。内容は窃盗事件や失踪、恐喝といったものから、とある目的による観光まで、バラエティに富んでいる。最初のうちはまったく関係ないように見える事件やイベントも、終盤に向かうにつれてひとつの事実に収束していく。数々の謎が解決されてゆく過程を、ミステリー小説を読むように楽しむことができる。

シャル自身は“ちょっと真面目で責任感が強い”という主人公らしい普通の青年だが、一緒に旅をする仲間は、天然ボケですぐに暴走する幼なじみの少女や、最年少でありながら大人びた言動で仲間を支えるスリの少年など、個性な人物ばかり。総勢5名の仲間が加わり、戦闘では任意に4名を選ぶことができる。

戦闘難易度はやや低め。エンカウント率が高く、街と街の移動でも敵が次々と襲ってくるため、回復アイテムなどをしっかりと用意しておく必要がある。また、フィールド上には水色の「クリスタル」が浮かんでいることがあり、全員のHPやMPを回復できる。ただし、近くにボス敵が潜んでいることがあるので、クリスタルを見つけたら回復とセーブを忘れずに行っておきたい。

「ルージュ」や隠し通路の先にあるアイテムなど、コレクター要素があるのもうれしい。ルージュ工房では、自分がどれだけルージュを集めたかを確認できるので、全部のルージュを集めてみるのもおもしろいだろう。

システムや戦闘にはオリジナル要素がない分、ストーリーに入り込みやすいのもよい。ただ、敵との戦闘が多いのと、街から街に移動する「お使い」イベントが頻繁に発生する点が少し気になったが、この点を差し引いても、プレイして十分に満足できる作品だ。

開発中に苦労した点
今回は初めにシナリオを組んでから一気に作り込んだので、その面では苦労しませんでした。ただ、やはり素材の用意は大変でした……。あと、強いて言うなら、リリスの「デスマス」調の文字変換が思いのほか苦労しました。(^^;;

ユーザにお勧めする使い方
ゲームはいきなりお城へ向かうシーンからはじまり、何がなんだかわからなくなっちゃうかもしれないので、私のホームページの「Teens」紹介ページで、プロローグをさらっと読んでおくと、とっつきやすいと思います。余裕のある方はルージュ全コンプにもアツくなってみてください。

今後のバージョンアップ予定
バグ報告もなくなりましたので、これ以上バージョンアップする予定はありません。ただ、バグが見つかれば、そのつど対処しようと思います。